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記事全文を読む→「プロレスVS格闘技」大戦争〈世代交代! 格闘王の称号は猪木から前田に〉
1986年春から88年春まで2年間続いた新日本プロレスとUWFの対抗戦はファンを熱狂させるも、アントニオ猪木と前田日明の頂上対決は遂に実現しなかった。新日本とUWFの闘いは、いつプロレスの範疇を超えてもおかしくない緊張感が魅力だったが、最終的には猪木が前田を信頼していなかったのだろう。
だが、直接対決はなくても両雄は同じ土俵で勝負した。それは86年10月9日、両国国技館で開催された猪木のレスラー生活25周年記念イベントとして開催された「INOKI闘魂LIVEパートI」だ。この舞台で猪木は78年2月15日にモハメド・アリを撃破してプロボクシングWBA&WBC統一世界ヘビー級王者になったレオン・スピンクスと、前田はプロ空手のドン・ナカヤ・ニールセンとの異種格闘技戦を行った。
猪木との一騎打ちがなかなか実現しない状況になって、前田は異種格闘技戦という同じ土俵で猪木と競い合ったのである。
当初、前田はこの試合に乗り気ではなかった。プロ空手の選手と発表されていた前田の相手がニールセンに正式決定したのが大会3週間前だったため、それまで前田は対策を講じようがなく、「これは新日本の罠なんじゃないか?」と疑心暗鬼になっていたのだ。
しかも、新日本から渡された資料はプロフィールと写真1枚、週刊誌の記事のコピー、1年半前の試合のビデオだけでほとんど参考にならず、「新日本は俺を本気で潰そうとしている」と危機感を募らせた。
最終的に前田がニールセン戦に前向きになったのは、新日本の中で唯一信頼していた藤波辰巳(現・辰爾)がUWFの道場を訪れて「この試合は大化けするチャンスになるはず」と説得したからだという。
猪木が喧嘩芸骨法の堀辺正史創始師範のもとに通って浴びせ蹴りを習得し、フリッパー上原ジムに出向いて元日本ジュニアミドル級1位の知念健次を相手に、メキシコ製14オンス・グローブを着用して3分5ラウンドの実戦特訓も連日敢行すれば、前田も初の異種格闘技戦に向けて特訓を開始。
午前中はUWFの道場でウエート・トレーニング。瞬発力をつけるための短距離ダッシュ、グラウンドのスパーリングに励み、夕方から深夜にかけてはシュート・ボクシングのシーザージムでシーザー武志の特訓を受けた。1週間前には師匠である“プロレスの神様”カール・ゴッチがトレーナーとして米国フロリダから緊急来日して練習の総仕上げを行った。
いよいよ決戦の時。前田は「相手がプロ空手のニールセンだから異種格闘技戦の名称になっているだけで、プロレスは総合格闘技。プロレスラーの誇りを持って闘う」と自信を持ってリングに上がったが、現実は厳しかった。開始早々ジャブを連打され、ワンツーからの左ストレートで鼻血を出し、記憶が飛んでしまったのだ。その後、前田は闘争本能と体に染みついた動きだけで闘ったという。
ニールセンは俳優&武術家として知られるチャック・ノリスが経営するジムで空手道を学び、アマチュア・ボクシングではゴールデン・グローブに輝き、この当時はプロ空手WKAのUSクルーザー級王者という実力者だった。
ニールセンの打撃に対して前田はアキレス腱固め、脇固めを仕掛けるというスリリングな展開はファンを熱狂させた。
決着は第5ラウンド。前田がローキックでニールセンの動きを止めると組みついて両腕をかんぬきに極めてアームソルトで投げ、ケサ固め。何とかロープに逃れたニールセンにタックルから再びグラウンドに持ち込むとアキレス腱固めで絞り上げ、逆片エビ固めへ! ニールセンがタップすると、セコンドの高田伸彦(現・髙田延彦)がリングに躍り込んで思わず前田に抱きつき、超満員札止め1万1520人の両国国技館は興奮のるつぼと化した。
その興奮冷めやらぬまま猪木VSスピンクスに突入。「最初はボクシングで勝負してみたい」と、猪木もスピンクスと同じく14オンスのグローブを着用。キックと投げはOKだが、関節技は禁止、寝技は10秒までという不利なルールをあえて飲んでの一戦となった。
グローブを着用して戦った第3ラウンドまではスピンクスが圧倒。第4ラウンドからグローブを外したが、流れを摑むことができず、第6ラウンドに入ると「関節技禁止」のルールを破ってアームブリーカーから腕ひしぎ十字固め。スピンクスは思わずタップしたが、特別レフェリーのガッツ石松はこれを認めず。
最終的には第8ラウンドにハーフネルソンを極めてアマレス流に強引にフォールするという呆気ない決着となり、勝利を称える拍手は皆無。
罵声が浴びせられ、リングに物が投げ込まれるという猪木にとっては屈辱的な幕切れだった。
凡戦に終わった猪木と劇的な勝利で人気が爆発した前田‥‥この日を境に前田は猪木に代わって「新・格闘王」と呼ばれるようになった。猪木25周年記念イベントは、世代交代を告げる大会になったのである。
文・小佐野景浩(おさの・かげひろ)元「週刊ゴング」編集長として数多くの団体・選手を取材・執筆。テレビなどコメンテーターとしても活躍。著書に「プロレス秘史」(徳間書店)などがある。
写真・山内猛
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