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記事全文を読む→「プロレスVS格闘技」大戦争〈“シュツットガルトの惨劇”だけでなかった!柔道、レスリング、ボクシングの雄と連日激突〉
1976年6月26日、日本武道館で行われたプロボクシングWBA&WBC統一世界ヘビー級王者モハメド・アリとの格闘技世界一決定戦により、アントニオ猪木の名前は全世界に知られるようになった。
猪木のもとには世界中から挑戦状が殺到。77年4月に「我が国に来て、挑戦を受けてほしい」とオファーしてきたのが、当時の西ドイツでトップレスラー兼プロモーターのローラン・ボックである。ボックは68年メキシコ五輪レスリングのグレコローマン97㎏級代表だった強豪だ。
翌78年11月に猪木初のヨーロッパ遠征が実現。11月7日の西ドイツ・ラーベンスブルグから同月29日のスイス・チューリッヒまで西ドイツ、スイス、オーストリア、オランダ、ベルギーをサーキットして、エキシビションを含めて21戦を行うという大規模なもので、当時、日本では「世界選手権ツアー」と呼ばれ、26日の西ドイツ・シュツットガルトにおける猪木VSボックが決勝戦と報じられた。
しかし実際は「キラー・イノキ・ヨーロッパ・ツアー」という名称で「アリと戦ったアジアン・カラテ・キャッチ・キラーのキラー猪木がヨーロッパ各地で強豪と戦う」というツアー。猪木はプロレスラーだけでなく、様々な格闘家と連日対戦させられたのだ。
11月7日、ラーベンスブルクの開幕戦では72年ミュンヘン五輪における柔道重量級&無差別級で2階級制覇のウィレム・ルスカをバックドロップで制して幸先のいいスタートを切ったが、翌8日の西ドイツ・デュッセルドルフのボック戦では、固いリングにフロント・スープレックスで右肩から叩きつけられて負傷。
9日の西ドイツ・フランクフルトの第3戦では急遽、挑戦の名乗りを上げてきた元プロボクサーのカール・ミルデンバーガーと異種格闘技戦を強いられた。ミルデンバーガーは66年にフランクフルトで当時、WBC世界ヘビー級王者のアリに挑戦した地元の英雄。しかもオープンフィンガーグローブではなく、8オンスの普通のボクシング・グローブで戦ったのだから無謀とも思えるが、延髄斬りから逆エビ固めで勝利した。
11月10日、西ドイツ・ハンブルクの第4戦はプロレスラーのジャック・デ・ラサルテスと対戦。ラサルテスはすでに50歳になっていたが、65~69年のハノーバー・トーナメント5連覇を達成して“欧州の鉄人”と呼ばれた男。この試合は4分10ラウンドで引き分けとなり、翌11日の西ドイツ・ハノーバーでの再戦は腕固めで勝利。その後、ラサルテスとは3戦して3勝している。
16日の西ドイツ・キールと21日の西ドイツ・ルートウィフハーヘンでは、レスリングの雄ウィルフレッド・デートリッヒと激突。デートリッヒは56年メルボルンのグレコ87㎏超級で銀、60年ローマでフリー金&グレコ銀(いずれも87㎏超級)、64年東京のグレコ97㎏超級で銅、68年メキシコのフリー97㎏超級で銅と五輪4大会でメダルを獲得している実力者。最後の出場となった72年ミュンヘンのグレコ100㎏超級ではメダル獲得はならなかったものの、フリーで銅メダルに輝き、のちにAWAでプロレスラーになった182キロのクリス・テイラーの巨体をスープレックスで投げている。
猪木は16日大会では腕固めで勝利するも、21日大会では両者リングアウトに。スープレックスで投げられまくって、大ダメージを負った。「ボックよりもっと凄かった。組んだ途端にスパーンって投げられちゃうんだから。ボックが猪木の実力を判断するために当てたと思うよ」とは、猪木に同行したマネージャーの新間寿。
19日のオーストリア・ウィーンで不本意な反則勝ちに終わったオイゲン・ウィスバーガーもメルボルン、東京、ローマと3回連続で五輪に出場している現地のレスリングの英雄だ。
23日のオランダ・ロッテルダム大会では、対戦予定だった東京五輪柔道金メダリストのアントン・ヘーシンクがドタキャンして会場に現れなかったが、ルスカが名乗りを上げて事なきを得た。猪木とルスカはこのツアーで5戦して、猪木の3勝2引き分けに終わっている。
24日の西ドイツ・ドルトムントで引き分けたオットー・ワンツは、のちにアメリカに進出してAWA世界ヘビー級王者になっている。26日のベルギー・ルーティッヒで快勝したチャールズ・ベルハルストはジョニー・ロンドスの名前で新日本の常連。ラストマッチの29日、スイス・チューリッヒでエキシビションマッチを行ったルーズ・ハンスバーガーはスイス山岳レスリングのチャンピオンだ。
この欧州ツアーでは、26日のシュツットガルトで満身創痍の猪木がボックに判定負けした試合だけが“シュツットガルトの惨劇”としてクローズアップされた。しかし、試合後には移動してのダブルヘッダー、ベルハルスト戦を控えての強行軍だった。猪木にとっては慣れないラウンド制の試合、ケガを負いながら様々な強豪と毎日戦いながらツアーを完走したのである。なお、ボックとの対戦成績は3戦1勝(反則勝ち)1敗(判定負け)1引き分け(両者リングアウト)の五分に終わっている。
このツアーの通算成績は20戦12勝1敗7引き分け&1エキシビションだった。
文・小佐野景浩(おさの・かげひろ)元「週刊ゴング」編集長として数多くの団体・選手を取材・執筆。テレビなどコメンテーターとしても活躍。著書に「プロレス秘史」(徳間書店)などがある。
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