社会
Posted on 2026年01月11日 18:00

六代目山口組「真の分裂終結」を迎える日(1)特定抗争指定の解除はいつに?

2026年01月11日 18:00

 昨年は六代目山口組が4月に「今後、処分者への手出しはしない」という内容の宣誓書を兵庫県警に提出。いわば分裂抗争に区切りをつけた年になった。今年は山口組にとってどんな1年になるのか? 特定抗争指定はいつ解けるのか? ヤクザ業界をつぶさに観察してきた論客2人が、その展望を語り尽くす。

 10年間にも及んだ六代目山口組(司忍組長)と神戸山口組(井上邦雄組長)らとの分裂抗争について、長らく顧問弁護士を務め、「山口組の守護神」と称された山之内幸夫氏が語る。

「神戸山口組は弱体化が著しく、抗争を続けるだけの体力がありません。加えて六代目山口組は池田組(池田孝志組長)や絆會(織田絆誠会長)とは、もともと『ケンカをしていない』というスタンスなので、その六代目山口組が抗争終結を宣言した分裂抗争は、敵対組織の同意がないとは言え、実質的に終了したと言えます」

 ヤクザ業界で長年取材を続けるライター・鈴木智彦氏の見方も同様で、

「10年間、結局六代目山口組側による攻撃ばかりが目立ち、反撃らしい反撃はなかった。その六代目山口組が『もう抗争しない』と言った。警察も仮に六代目山口組がそれを違たがえれば『わかってるだろうな』とばかりに本気で潰しにかかるだろうから、今後抗争事件は起きようがないと思います。続けてしまい、10年経った結果が今の状況。総本部を失い、傘下組事務所がどんどん閉鎖され、組員は5人以上集まることもできない。これでは抗争どころではありません」

 鈴木氏が指摘するのは、20年から続く当局による「特定抗争指定」の規制で受けた影響だ。六代目山口組と敵対組織は軒並み警戒区域内での活動に制限がかけられている。この解除は、敵方の打倒を目的としない現在の六代目山口組にとって、最優先事項であることは明らかだ。

 振り返ると、道仁会(福岡・福田憲一会長)と九州誠道会が11年に指定を受け、その後13年6月に道仁会が抗争終結の宣誓書、九州誠道会が組織の解散届を提出。当局が約1年間、両組織を監視し、抗争事件が発生しなかったことでやっと指定を解除したという前例がある。これに基づくなら、解除には最低でも六代目山口組の宣誓書提出から1年以上かかると見られている。山之内氏は、

「指定の解除は公安委員会の判断になりますが、前提として警戒区域内の住民が『もう平時に戻った』と平穏さを体感できるかどうかが基準。住民アンケートを取るのではなく、当局の胸三寸での判断となります。ただ、10年間の抗争を指揮した当時の若頭である髙山清司相談役から竹内照明若頭への指揮官交代は、当局としても無視できない」

 と語る。山口組の分裂は、若頭時代の髙山相談役の組織運営に反旗を翻した反髙山一派による造反が背景にあり、

「いわば髙山相談役と反髙山派の『わが闘争』という意味合いが強いものでした。ですから、その髙山相談役がヤクザ社会の総意を受ける形で『戦争は終わった』として後任に采配を譲った意味は大きく、まさにひとつの時代が終わったことを意味します。とはいえ前例どおり1年での解除、というのは難しいでしょう」(山之内氏)

 一方の鈴木氏の見解はこうだ。

「道仁会と九州誠道会の時は、両組織が連れ立って警察署を訪れる、というパフォーマンスもあり、実際にその後に事件は起きなかったことで、提出から1年で解除になった。今回のケースとは違いますが、でも当局の側も、指定を続けるにはそれだけの理由が必要。警察としてはずっと指定し続けたいんだろうけど、日本はヤクザ相手であろうと、ある程度正しい法律に基づいて動く法治国家だから、引っ張り続けるにも限界があると思う。26年中の指定解除もありうるかもしれません」

 2人の意見を総合すると、終結宣言から3年、4年と指定がずるずると続くことはなさそうだ。

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