社会
Posted on 2026年02月16日 11:45

2週間以内に日本でM6以上の大地震発生「バヌアツの法則」を単なる都市伝説として一蹴してはいけないワケ

2026年02月16日 11:45

 バヌアツ共和国は、オーストラリアに近い南太平洋上に浮かぶ島国である。そのバヌアツ諸島で2月14日、M(マグニチュード)6.5と推定される大きな地震が発生した。これを受けて「今後2週間以内に、日本でM6以上の大地震が発生する」との噂が秘かに広がり始めている。その背景には「バヌアツの法則」と呼ばれる都市伝説があった。

 これは「バヌアツ諸島周辺でM6以上の大きな地震が発生すると、約2週間以内に日本でも同等以上の大地震が発生する」というものだ。1990年代に一部のブロガーなどによって紹介され、バヌアツ諸島周辺で大きな地震が発生するたびに、秘かな話題として取り上げられてきた。

 しかし、日本と6500キロも離れた地との関連に、多くの専門家は「現時点における科学的知見では『いつ、どこで、どんな地震が発生するか』を予測することは不可能」と指摘。バヌアツの法則についても、京都大学の加藤護准教授が「バヌアツ諸島と日本列島で発生する地震に因果関係はない」とする研究報告を、2023年の日本地震学会誌に寄稿している。

 ただし、以下に示すような過去の発生例を紐解くと、遠く離れた2つのエリアで発生する地震に因果関係があるように思えてくるのもまた事実だ。
●2016年4月3日にバヌアツでM6.9の地震が発生⇒11日後の4月14日にM6.5の熊本地震(最大震度7)が発生⇒2日後の4月16日にはM7.3(最大震度7)の本震が発生
●2018年8月22日にバヌアツでM6.7の地震が発生⇒15日後の9月6日にM6.7の北海道胆振東部地震(最大震度7)が発生
●2021年2月10日にバヌアツでM6.9の地震が発生⇒3日後の2月13日にM7.3の福島県沖地震(最大震度6強)が発生

 これらの発生例についても、専門家らは「単なる偶然の一致」と一蹴してきたが、「バヌアツの法則はデマ」と斬り捨てて思考停止に陥るのは危険である。
 言うまでもなく、日本はそれこそ「いつ、どこで、どんな大地震」が起きてもおかしくない、世界有数の地震国なのだ。バヌアツの法則に振り回されて右往左往するのはナンセンスだが、防災上の観点から言えば、バヌアツの法則をむしろ教訓や戒めとして心に留め置き、対象となる期間中、大地震への警戒をより高めておくことこそ肝要なのではないか。

 備えあれば憂いなし。減災への不断の取り組みは、最大の備えなのである。

(石森巌/ジャーナリスト)

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