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記事全文を読む→原田龍二「誰がなんと言おうと霊はいる!」〈今週の龍言〉成人したら何をしようが自由。プー太郎になっても全然いい
今回は人生の後半戦がテーマです。僕も俗にいう「終活」が少しずつ始まってます。今と若い頃の違いは必要のないものを買わなくなったことでしょうか。
僕は世界の先住民族について興味があり、昔からポスターや置物を見て「いいな」と思ったら何も考えずに買っていました。でも、今はスッパリやめました。ライトな断捨離とでもいいますか、モノは増やさないでどんどん捨てています。かつては出演したドラマの台本をずっと取ってたんですが、今は表紙とスタッフとキャストの名前が載ってる部分だけを保存して中身は捨てています。「何かあった時に‥‥」と思っていたのですが、実際は何もないんですよね。30年以上、何もない。
そういえば、国内・国外問わず、旅行に行った時の土産をあまり買ってこなかった。結局、モノよりも思い出です。前にも話しましたが、いろんなところで南米ベネズエラの先住民族・ヤノマミ族の話をして盛り上がることのほうが楽しい。彼らからもらったネックレスや現地で作った弓矢を持って帰ってきましたけど、お土産はその程度です。弓なんかよりも「生きる意味」を教えてもらったかけがえのない貴重な経験にこそ価値がある。ヤノマミ族との交流のおかげで小説家デビューもできましたし。詳しくは「精霊たちのブルース」(万代宝書房)に書いてますので、興味がある方はぜひ読んでみてください。
還暦まであと5年になりましたが、還暦は単なる通過点だと思います。60歳まで生きられるかどうかもわからないし、何があるかわからないから毎日が大事なわけです。芸能人には引退がありません。というか、仕事の依頼がなくなったら引退でしょう。「引退宣言」ができるのはごく一部の超売れっ子だけのこと。僕の場合も、仕事があるうちは活動し続けます。このまま行けるところまで行くつもりです。
「なんで俺を求めてくれないですか? 求めてください」とはならない。求められなくなったらそれで終わり。もちろんマネージャーは営業するかもしれませんけどね。
それよりも依頼が来た時にちゃんと仕事ができるように準備をすること。健康であることが一番だと思います。
これまでの33年の芸能活動、あっという間ではありませんでした。「あっという間」と言い切ることは卑怯ですね。デビュー当時の僕はまるでプロ意識がありませんでした。やる気がないし、事務所が勧めてくれたオーディションも行ったふりでサボってばかり。なのでここまで続いていることはまったく考えられなかった。人生、なるようにしかならないと思ってましたね。それは今でも一緒かな? 精神的にはいつ死んでもいい状態でいます。何があってもおかしくないし、何があってもいいやっていう気持ちです。
それは財産を残したという意味ではありません。お金のことに関して、本当に無頓着で全然わかんないです。「俺にカネの話はしないで!」と言うんですが、カミさんには「なんとなくはわかっててよ!」と言い返されます。
息子をアメリカに留学させましたけど、カミさんによるとそれで蓄えが一気に減ったみたいです。だとしても外国に出てみるというのはいいことだと思うんですよ。十分収穫はあったんじゃないでしょうか。彼がこれから何するかは知りません。ただ成人するまで責任取るのは親ですからね。人生のバトンタッチといったところでしょう。
成人したら何をしようが自由。プー太郎でも全然いいと思う。それは本人の人生だから。嫌々、仕事してるよりはブラブラして楽しいほうが絶対いいし。プー太郎という経験も長い人生の中では必要なのかもしれない。「お前、なんで仕事しねえんだよ」と僕は絶対言わないし、一切干渉しません。カミさんは現実主義なので言うかもしれないですけどね。子供たちには物心ついた頃から「人生は近道より遠回りしたほうがいいよ」と伝えてきました。
僕は前にもお話ししましたけど、俳優・バラエティー・司会、どの仕事もしっくりこない。たぶん、どの型にもハマりたくないと思ってるからでしょうね。「職業・ニンゲン」であり、33年かけて「職業・原田龍二」にたどり着いたと言ったら不遜でしょうか。
「もしも俳優だけをやってたら‥‥」という「たられば」の話って嫌いですけど、俳優だけじゃなかったからこそ、どの仕事も楽しめているのかもしれないですね。
「世界ウルルン滞在記」をはじめとしたドキュメンタリー番組に出ないという選択肢もありました。旅番組出たくない、バラエティー出たくない、俳優だけをやる選択肢もあったと思うけど、どの仕事もやらせていただいたことで今があるのだと思います。俳優だけをやっていても演技はうまくならないと思うし、いろんなことが原田龍二の血となり肉となっているはずですからね。
ドラマ「相棒」の捜査一課・芹沢慶二役の山中崇史は僕と同い年なんですけど、実は彼は僕のユーチューブ「ニンゲンTV」の大ファンなんです。空き時間はずっと心霊の話ですからね。同じく捜査一課・出雲麗音役の篠原ゆき子さんやゲストも心霊話に入ってきますし、水谷豊さん、寺脇康文さんもそこにいたりして。「あれって、実際どうなのよ?」って話になりますから。僕がいろんなことをやっていることで、そういう会話が生まれるのだと思うんです。
特に山中崇史は僕のマネージャーの森にすれ違いざま、「いつも見てますよ。森さんのことも」とだけ言って去っていく。見てますよと言いながら、何を見てるかは言わない。まあ、マネージャーも「ニンゲンTV」に出てるからそのことなんでしょうけど。
「ニンゲンTV」はいい潤滑油。本来、俳優はドラマの現場で別のドラマの現場の話なんてしないんですよ。ましてや「相棒」に出演しているメンバーは皆さんベテランであって、他の現場のことなんて気にしていません。ドラマとはまったく違う話のほうが盛り上がるんです。
これまでの全ての仕事に感謝です。
原田龍二(はらだ・りゅうじ)1970年生まれ。東京都出身。92年ドラマ「キライじゃないぜ」で俳優デビュー。「水戸黄門」「相棒」シリーズなど出演多数。温泉バラエティ「湯一無二」(MX)のほかユーチューブ「ニンゲンTV」ではゴーストハンターとしても活躍中
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