政治
Posted on 2026年05月20日 06:30

【あなたも市議会議員に!~前編】芸人⇒議員の長井秀和が解説する「競争率たった1.2倍で高給」「地盤・知名度・カネ」はすべて不要

2026年05月20日 06:30

「年齢、学歴、職歴不問! 高給、勤務日自由、やりがいあり!」
 もしもこんな仕事が世の中にあったら、それこそ希望者殺到で、競争率が何十倍、何百倍にもなりそうではないか。ところが現実は、競争率が約1.2倍。12人の希望者がいたら、そのうちの10人が合格する。そんなオイシイ仕事があるのか、と思いつつ、やりたがる人が少ないのか、という不気味さが…。

 実はこれ、日本全国に1万8000人余りいる、市議会議員と区議会議員なのだ。議員報酬は、最高の神奈川県横浜市なら額面1600万円以上。東京23区の区議で1000万円以上。人口の少ない地方の市でも500~600万円はもらえる。いわば一流企業の正社員並みだ。
 それでいて、議会の本会議など年50日前後しか出席義務はなく、兼業も自由。農業をやりながら、会社の経営をしながらでも議員はできる。さらに本気で町を良くしようとすればいくらでもやることはあるし、何もしないでサボっていても、基本的にはなかなかクビにはならない。

 しかも、だ。中卒だろうが「ひきこもり」や「ニート」だろうが、ロクに社会に出た経験がなかろうが、大丈夫。以前に選挙違反で捕まっているなどの事情がなければ、25歳以上の誰もがチャレンジできる。
 なれる条件はただひとつ。選挙で当選することだ。

 なぜこれほどのいい待遇なのに希望者が少ないのか。元お笑い芸人で「間違いない!」という流行語を作り、現在は東京・西東京市議会議員の長井秀和氏は言う。
「皆さん、市議会議員になるのはハードルが高い、と錯覚してるんじゃないのかな。地盤、知名度、おカネなどが揃ってないと議員になんてなれない。そう思って尻込みしている。本当はそんなことないんです。何もなくても十分に当選は可能なんです」

だいたいの市は500~1000票で当選可

 まず地盤や知名度の不足は、政党の候補者公募に応募して受かり「党公認」をもらえればカバーできる。国会議員候補ならともかく、市議会や区議会ならさほど難易度は高くない。
 もし無所属で出ても、「わが市を日本一子育てのしやすい町にしよう」「ワンちゃん、ニャンちゃんにやさしい町に」など、一部の市民には強烈に刺さりそうなキャッチコピーを掲げれば、当選圏に入りうる。だいたいの市は500~1000票取れれば当選なのだから。

 おカネだって、供託金はほぼ選挙後に返ってくるし、事務所も選挙カーもなければ、限りなく費用はゼロにできる。長井氏によれば、
「若ければもう、それだけで有利。60代70代の現役議員がどの市にもいっぱいいて、世代交代がなかなか進んでないのを市民が感じてるから。パソコンやスマホをそこそこ使えるだけで戦力になるし、災害時も現場で力仕事ができる若手議員がいた方がいいでしょ。少子高齢化が進み、日本がどんどん衰退化していく中で、少しでも地方から新しい人材が育って、現状に風穴を開けてくれなきゃ」

 そんな思いを込めて、長井氏はこの5月、自ら監修して「市会議員になろう!!」(飯塚書店)という本を上梓する。ここでも彼は「市会議員は思いのほかハードルが低くてオイシイ仕事だから、みんなやってみよう!」と訴えている。

 ちなみに5月29日夜には「高円寺パンディット」(東京・高円寺)で、本の出版記念として、トークライブを開催(19:30スタート、前売1500円、サイン入り書籍付きチケット3000円=事前販売・送料込み、チケット購入はLivePocketまたはPeatix)。30年間、売れないクズ芸人をやった末に東京・中野区議になった井関源二氏や、高校を中退して自転車でインド放浪をした後に群馬県沼田市議になった今成あつこ氏も登壇する。
 彼らは身をもって「市議こそが、一度失敗しても人生で再チャレンジできる最高の仕事」であることを示しているのだ。

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