社会
Posted on 2026年05月30日 10:00

「この夏も要注意」と専門家が警鐘 変異する新型コロナウイルスからあなたの血管を防御せよ!!

2026年05月30日 10:00

誰が言い始めたのか「コロナはただの風邪」。まん延する根拠のない風潮が高齢者を危険にさらす可能性を高めている。コロナ感染症の専門家が説く最新事情と今すべき対策とは!

教授高齢者を襲い続ける不都合な真実その死因、実は「コロナ感染」かも!?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、ただの風邪だった─。

 数年前、世界を震撼させた感染症が、今では多くの人にとって「過去の病気」「恐れるに足りないもの」というイメージへと変貌している。しかし、それは正しい認識なのだろうか。

 職場で1週間前からゲホゲホと咳込んでいるアラ還の上司。「風邪かな?」と周囲の誰もがそう思っていた矢先、社内で倒れ、救急車で搬送される騒ぎとなった。診断は脳卒中。

 だが、この突然の事態に「新型コロナウイルス」が関連している可能性が高いと聞いたら、コロナ軽視の意識はあなたの中で少なからず覆されるはずだ。「コロナは出現以来、一度も消えたことがない。そして、命に直結する感染症であること。インフルエンザよりも怖い病気なんです」

 こう話すのは埼玉医科大学教授で、同大学の国際医療センターでコロナ重症患者の治療にあたってきた、関雅文先生。新型コロナウイルス感染の脅威を訴え続けている第一人者だ。

 関先生がコロナはインフルより怖いとする最大理由が、下のグラフでも一目瞭然の死亡数の圧倒的な差。コロナ禍が過ぎたとされた一昨年でもインフルの10倍以上、これは“ただの風邪”ならありえない数字だ。

「口や鼻から入り、肺の細胞の表面に感染するインフルと違い、新型コロナウイルスは血管内のレセプター(受容体)をターゲットとします。つまり、コロナは血管に移行するウイルスであるということ。だからこそ、命に直結するんです」

 血管に感染したコロナが重症化することで、インフルによる肺炎どころではない、脳卒中や心筋梗塞といった、瞬時に命を落としかねない血管系の疾患を引き起こしやすくなるという。先にあげたアラ還上司ではないが、コロナが直接の死因にならずとも「コロナ関連死は多い」と、関先生が常に脅威を訴える意図が改めてわかる。

 しかし、これほどまでに危険な感染症が、なぜ軽視されるようになったのか。

「オミクロン株の登場で感染症状が軽くなり、子供や若者に症状が出ないことが多くなった。当然、ニュースでも取り上げられなくなり、情報が伝わらなくなったことが理由の1つです」

 そして、日本中がコロナに油断している現在の状況に関先生は警鐘を鳴らす。

「コロナの決定的な特徴として、加齢によって血管が傷みがちな65歳以上の高齢者、または高血圧や糖尿病など、すでに血管関連の基礎疾患を有する高齢者予備軍に重症化が特化していることがわかっています。その世代の人たちにこの事実と危険性を知っていただきたい」

 まさにアサ芸世代を直撃する恐ろしい話だが、関先生は「今年の夏はさらに感染が増える可能性が高い」と続けた─。

最新変異株「セミ型」から命を守る今すぐできる日常生活での対策とは

 1つのウイルスが大流行して、別のウイルスの流行が抑制される現象を「ウイルス干渉」と呼ぶが、冬にインフルエンザが猛威を振るうようになったことで、「コロナのメイン流行は冬から夏へ移行すると思います」と関先生は話す。そのもっとも近いターゲットが今夏というわけだ。

 さらに、3月時点のゲノム解析で東京都の感染者が80%に達したという、通称「セミ型」と呼ばれる最新変異株が出現したことも、流行を助長するのではないかとしている。なぜなら、「人の免疫に排除されないよう病原性が強くなく、逆に感染を広める力が強い可能性がある」から。つまり、症状がなく感染に気づかない子供や若者が出歩くことで、知らぬ間に高齢者や血管に基礎疾患を有する人たちに広めてしまうリスクが高まりそうなのだ。

 では、関先生が「インフルが侍なら、コロナは忍者」と例える、この新たな見えない敵から、我々の命綱である“血管”を守る方法はあるのだろうか。

 しかし、意外にも関先生は笑顔でこうアドバイスしてくれた。

「むしろ、コロナはインフルより対処しやすいメリハリのあるウイルスといっていい。それにはただの風邪と思わず、油断せず意識することが大切です」

 関先生いわく、ワクチンは現在も有効であり、入院予防効果は60%以上。高齢者や基礎疾患を有する人には、ぜひとも接種してほしいと呼びかける。この他、日頃の手指衛生やマスクは十分に有効だという。加えて、食生活の意識改革がコロナ対策に大いに効果が見られると話す。

「本当なら酷暑の真夏にマスクを無理に着用したくはないですよね。一方で、ヨーグルトなどの乳酸菌はコロナ対策に効果があるときちんとデータも出ていますから、夏が来る前に食事メニューに取り入れてもいいのではないでしょうか」

 冗談ではなく、セミが鳴き始める前にシャットアウト。どうやら、これが今夏に向けた最良のコロナ対策といえそうだが‥‥。

「コロナが5類感染症になり、症状の軽いものは風邪として扱ってしまう流れ、これが人々の油断を生んでしまったことは確かです。だからこそ、コロナは怖い病気だと改めてご自身で意識して、メリハリのある対策を実行してほしい。それが私の願いですね」

 実践すれば効果あり。せねば一気に奈落の底まで。今夏のコロナ対策が、あなたの未来の運命を決めるかもしれない─。

関雅文先生:埼玉医科大学 医学部 国際医療センター 感染症科・感染制御学科

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