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記事全文を読む→急増中「副業詐欺」摘発しても問題解決しない「詐欺グループが使う銀行口座」外国人名義の怪しい実態
「指示通りにすれば高額収入が得られる」
SNSのそんな甘い言葉で副業希望者を勧誘し、講習代金名目で現金を騙し取ったとして、大阪の会社役員らが摘発された事件。副業ブームの陰で、そんな被害者が急増中だ。今年2月には、警視庁が副業詐欺グループのメンバー9人を逮捕。全国で450人以上が被害に遭い、被害総額は7億円超とみられている。
その手口は実に巧妙だ。「スマホ1台でできる副業」「動画のスクリーンショットを送るだけ」「SNSに『いいね』を押すだけ」「動画を見るだけ」といった広告で利用者を集める。しかも最初は数百円から数千円の報酬を実際に振り込むため、被害者は「本当に稼げる」と信じ込んでしまう。
ところが、その後に待っているのは「もっと稼ぐには上位会員になる必要がある」「高額案件に参加するには保証金が必要」という説明。初期費用やランクアップ費用、システム利用料の名目で、高額な支払いを求めるのだ。気付いた時には数十万円、数百万円を失っていたというケースは少なくない。
最近ではAIブームに便乗した詐欺も増加中。「AIが自動で収益を生み出す」「放置するだけで毎月50万円」などと宣伝し、高額な情報商材やシステム利用料を購入させる。暗号資産やFX投資と組み合わせたケースも目立ち、被害額はさらに大きくなる傾向にある。
帰国した名義人の口座が残っていても気付かない
警察は摘発を続けているが、実は見落とされがちな問題がある。詐欺グループが使う銀行口座だ。
実は近年、その受け皿として悪用されるケースが目立つのが、外国人名義の口座。留学生や技能実習生、帰国予定者などの口座が売買され、犯罪グループの手に渡る。外国人だから問題なのではない。一度口座を開設してしまえば、その後のチェックが驚くほど甘いという日本の仕組みが、詐欺被害を広げているのだ。
そんな日本とは対照的なのが、日本人のリタイア後の移住先や旅行先として人気が高いタイである。タイではオンライン詐欺が深刻な社会問題になったことから、政府と金融機関が本気で動いた。
2025年頃からは、怪しい資金の流れが確認されれば、即座に口座を凍結。銀行同士で情報を共有し、口座ではなく「人物」を監視する仕組を整備している。
その結果、多数の外国人名義の口座が調査対象となったが、タイ当局が見ていたのは国籍ではない。「その口座は本当に本人が使っているのか」「なぜ不自然な金の動きがあるのか」「犯罪組織との関係はないのか」を、徹底的に洗い出したのである。これは詐欺師を捕まえるだけでなく、犯罪に使われる口座そのものを減らそう、という考え方に基づくものだ。
翻って、日本はどうか。銀行は口座開設時こそ厳しいが、その後はというと、帰国した名義人の口座が残っていても気付かない。長期間使われていない口座が放置される。住所変更すら行われていないケースも珍しくない。その隙を狙うのが、詐欺グループだ。
タイと同じ方法をそのまま日本で採用できるかどうかはわからない。それでも増えていく詐欺事件に対し、口座を作った後の本人確認や銀行同士の情報共有について、もっと踏み込んだ対策を検討するべき時がきている。
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