スポーツ
Posted on 2026年06月25日 06:30

【W杯】森保ジャパンの「大戦力」になっていた「蹴鞠の達人」藤原成通の人間離れテクと「平安時代のサッカー指南書」

2026年06月25日 06:30

 アメリカ、カナダ、メキシコの3カ国共催によるFIFAワールドカップは連日、熱戦が繰り広げられている。8大会連続出場中の日本代表はF組初戦で格上のオランダ戦(6月15日・ダラス)で2-2の引き分け。第2戦(6月21日・モンテレイ)ではチュニジアに4-0と大勝し、決勝トーナメント進出にグッと近づいた。

 そんな森保ジャパンにもし加わっていれば、大きな戦力となっていたかもしれない、歴史上の人物がいる。アルゼンチン代表のリオネル・メッシをも凌ぐ個人技で、世界を席巻していたかもしれない。
 平安時代後期の承徳元年(1097年)生まれで、藤原北家の出身。正二位、大納言という上級貴族である藤原成通である。歌人として有名だが、蹴鞠の名人でもあり、「蹴聖(しゅうせい)」と今でも崇め奉られている。

 なにしろ「古今著聞集」などには、信じられないようなエピソードが数々、残されているのだ。リフティングは人間離れしており、京都の清水寺にある高い崖にせり出した舞台の欄干の上を、鞠を蹴りながら往復したといわれる。
 また、家来の肩の上に鞠を乗せてから、それを落とさずに蹴り上げたらしい。しかも蹴られた本人は、肩に鞠が乗ったことすら気付かなかったというから、まさしく人間技ではなかろう。

 成通は「千日間、毎日欠かさず蹴鞠の練習をする」という千日業を行い、満願成就の夜には、顔が人間で体がサルという3人の子供の姿をした「鞠の精霊」が出現したという。この精霊たちは夏安林、春陽花、桃園というが、これが蹴鞠をする際の「あり」「やあ」「おう」というかけ声の由来になったとされている。さすがに創作だろうが…。

体の使い方とテクニックにスポーツ心理学の記述も!

 成通はプレーヤーとしてだけでなく、指導者としても一流だった。「成通卿口伝日記(なりみちきょうくでんにっき)」という、蹴鞠上達のための教科書を残しているのだ。
 この本には単なるテクニックにとどまらず、スポーツ心理学も書き記されている。例えば緊張に打ち勝つために「観客は草木や犬猫と思え」などとし、自分よりうまいプレーヤーを目の当たりにしても「自分と同じ人間だと思え」と諭している。

 これは悲願のW杯優勝を狙うため、今後は世界的プレーヤーを擁する強豪チームとの対戦が待ち受ける森保ジャパンにも、有意な教訓となる。この指南書には現代サッカーにも通じる 「落ちてくる鞠(ボール)をじっと見つめず、目線はまっすぐ前を向き、体全体の感覚や周辺視野で鞠を捉えろ」と、体の使い方やテクニック面の記述がある。さらに相手を思いやるチームプレーの精神が強調されている。

 もちろん、サッカーと蹴鞠は違う。しかし、成通のような心技体を兼ね備えた名選手がいれば、森保ジャパンにとっては間違いなく、大きな戦力になったことだろう。

(道嶋慶)

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年09月14日 11:30

    AIは本当に人類を終わらせるのか。専門家のとある主張が世界を震撼させている。その「AI終末論」は、AI開発企業アンソロピックに勤めていた元研究員、ジェイコブ・コクソン氏によるもの。Xで「AI研究関係者の多くが、AIは今後10年以内に人類を破...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    事件
    2026年09月16日 20:30

    「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物「エトミデート」は、広島カープに大きな衝撃を与えた忌まわしいブツだ。元広島カープの羽月隆太郎氏にこれを譲り渡したとして医薬品医療機器法違反の罪に問われた会社役員・滝口涼介被告の初公判が9月16日に広島地裁で...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年09月17日 07:15

    20世紀最大級のミステリーと言われてきた、イギリス・スコットランドのネス湖に生息するという未確認動物(UMA)の「ネッシー」に、再び熱い視線が注がれている。いったいなぜか。一時期は目撃情報が激減し、専門家からは死亡説や、人間の活動を警戒して...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/15発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク