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記事全文を読む→【W杯】森保ジャパンの「大戦力」になっていた「蹴鞠の達人」藤原成通の人間離れテクと「平安時代のサッカー指南書」
アメリカ、カナダ、メキシコの3カ国共催によるFIFAワールドカップは連日、熱戦が繰り広げられている。8大会連続出場中の日本代表はF組初戦で格上のオランダ戦(6月15日・ダラス)で2-2の引き分け。第2戦(6月21日・モンテレイ)ではチュニジアに4-0と大勝し、決勝トーナメント進出にグッと近づいた。
そんな森保ジャパンにもし加わっていれば、大きな戦力となっていたかもしれない、歴史上の人物がいる。アルゼンチン代表のリオネル・メッシをも凌ぐ個人技で、世界を席巻していたかもしれない。
平安時代後期の承徳元年(1097年)生まれで、藤原北家の出身。正二位、大納言という上級貴族である藤原成通である。歌人として有名だが、蹴鞠の名人でもあり、「蹴聖(しゅうせい)」と今でも崇め奉られている。
なにしろ「古今著聞集」などには、信じられないようなエピソードが数々、残されているのだ。リフティングは人間離れしており、京都の清水寺にある高い崖にせり出した舞台の欄干の上を、鞠を蹴りながら往復したといわれる。
また、家来の肩の上に鞠を乗せてから、それを落とさずに蹴り上げたらしい。しかも蹴られた本人は、肩に鞠が乗ったことすら気付かなかったというから、まさしく人間技ではなかろう。
成通は「千日間、毎日欠かさず蹴鞠の練習をする」という千日業を行い、満願成就の夜には、顔が人間で体がサルという3人の子供の姿をした「鞠の精霊」が出現したという。この精霊たちは夏安林、春陽花、桃園というが、これが蹴鞠をする際の「あり」「やあ」「おう」というかけ声の由来になったとされている。さすがに創作だろうが…。
体の使い方とテクニックにスポーツ心理学の記述も!
成通はプレーヤーとしてだけでなく、指導者としても一流だった。「成通卿口伝日記(なりみちきょうくでんにっき)」という、蹴鞠上達のための教科書を残しているのだ。
この本には単なるテクニックにとどまらず、スポーツ心理学も書き記されている。例えば緊張に打ち勝つために「観客は草木や犬猫と思え」などとし、自分よりうまいプレーヤーを目の当たりにしても「自分と同じ人間だと思え」と諭している。
これは悲願のW杯優勝を狙うため、今後は世界的プレーヤーを擁する強豪チームとの対戦が待ち受ける森保ジャパンにも、有意な教訓となる。この指南書には現代サッカーにも通じる 「落ちてくる鞠(ボール)をじっと見つめず、目線はまっすぐ前を向き、体全体の感覚や周辺視野で鞠を捉えろ」と、体の使い方やテクニック面の記述がある。さらに相手を思いやるチームプレーの精神が強調されている。
もちろん、サッカーと蹴鞠は違う。しかし、成通のような心技体を兼ね備えた名選手がいれば、森保ジャパンにとっては間違いなく、大きな戦力になったことだろう。
(道嶋慶)
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