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記事全文を読む→「AI使い倒し芸人」と「AIいらない芸人」トーク番組でAIが総括した「出川哲朗の評価」は正しいか
月並みな物言いだが、あの巨人・阿部慎之助前監督逮捕のニュースは、AIと人間との関係を改めて考えさせられた。父親から暴力を受けた長女が「チャットGPT」に相談し、その回答に基づいて児童相談所に通報したところ、警察が即座に動いて現行犯逮捕に至ったと知った時は「コトはここまで深刻になってしまったのか」と衝撃を受けたものだ。
AIは基本的に人命や安全を優先するので、相談内容を緊急事案と捉えた場合、現実世界の専門機関に相談するよう回答する仕組みになっている。そのため「父親から暴力を受けた」との相談に「児童相談所に連絡を」と回答をしたのだろう。
とはいえ、まるで万能のように思われがちのAIでも、結局は使う側の人間次第という、至極当たり前のことに気付かされた。
先日、そんなAIと人間の関係性をまたまた考えさせられる番組があった。第35回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品「私、必要ですか?~AIが“正解”を出す時代に~」(フジテレビ系)だ。
東京・丸の内に勤めるシステムエンジニアの女性が顔出しで取材を受けていたのだが、なんとAIに名前をつけて、恋人として接していたのだ。しかも驚いたのは、AIに恋心を抱く人は彼女だけではないということだった。
生身の人間以上に親身に寄り添ってくれて(あくまで人間側が「そう感じる」だけなのだが)、問いかけに応えてくれる。古来より「八百万の神」を信じる我々日本人なら、そこに魂を感じても不思議なことではない。
その昔、「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送テレビ)で「マネキンと結婚したい!」という神回があったが、物言わぬマネキンにさえ愛が芽生えるのだから、会話をしてくれるAIならなおのことだ。
そんな複雑な思いを抱きながら見た6月25日放送の「アメトーーク!」(テレビ朝日系)のテーマは「AIと友だち芸人」だった。ひな壇には田村淳、又吉直樹(ピース)、高橋茂雄(サバンナ)、品川祐(品川庄司)、新山(さや香)、桑原雅人(トット)。MC横には彼らとは真逆に「AIは使わない」という出川哲朗と長谷川忍(シソンヌ)をゲストとして据えた。
「おい、ちょっと待てよAI! ふざけんなよ!」
「使わない日はないぐらい。今年でいうと(田村)亮さんと喋った時間よりも、AIの方が長いですね」
田村のこの言葉を皮切りに各自、普段はどんなことをAIと話し、相談をしているかを嬉々として語り始める。しかしその都度「ワイ(WHY)だよ!」と理解が追い付かない様子の出川は、その技術に驚きはしながらも、AIに否定的な様子だ。
番組ラストでAIに、この日の収録の総括と「いちばんよくなかった出演者は誰?」と聞いたところ、回答は「出川哲朗」。その理由を「『AIを信用していない』というスタンスが強すぎ、番組のポジティブな熱量を停滞させる場面が目立ちました」と説明した。
この手厳しいダメ出しに出川はキレて席を立つ。
「おい、ちょっと待てよAI! ふざけんなよ!」
ところが即座に「申し訳ございませんでした」と土下座し、謝罪したのだった。
これに異を唱えたのが、ひな壇の「AIと友だち芸人」の面々だ。
「(MCの)蛍原さんの横的な立場のことを、まだこのAIは学習してないんですよね」(高橋)
「我々は出川さんで助かってますよ」(品川)
このやりとりに出川は「やっぱし人間だよ」と感動していた。
番組は「しょせん、AIでしたわ」という高橋のひと言で締められたが、これこそ案外、AIと人間の付き合い方のあるべき姿だったのではなかろうか。
(堀江南/テレビソムリエ)
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