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記事全文を読む→「千葉は本州唯一のクマなし県」定説を覆す生息調査報告書!山中にあった「クマ棚」と「木の幹の爪痕」
近年、人里における人間とクマの戦いがどんどん激しくなっているが、今年の春以降も全国各地でクマの異常出没と、悲惨な人身被害が連日のように相次いでいる。全国の自治体関係者からは「これまでに経験したことがない危機的状況」との声が上がっている有様だ。
日本列島にはヒグマ(北海道)とツキノワグマ(本州以南)が生息しているが、実は多発するクマ被害からかろうじて免れているとされているのが「九州」と「四国」、そして「千葉県」の3エリアだ。
このうち、九州は「乱獲によってツキノワグマが絶滅したとされる圏域」、四国は「乱獲によってツキノワグマの個体数が激減したされる圏域」であり、千葉県は「そもそもツキノワグマが生息していない地域」とされている。
中でも千葉県は「本州で唯一のクマなし県」として知られており、県内の自治体や観光業の関係者らは「低山登山やハイキング、キャンプなどのアウトドアを安心して楽しめるエリア」として、積極的なPRを行っている。
千葉県は半島の大半が海に囲まれている地形に加え、東京や埼玉や茨城との境には市街地が広がっており、ツキノワグマが他地域から侵入するリスクは低いとされている。さらに縄文時代の房総半島は地形的に「おおむね島」だったことから、歴史的にもツキノワグマの移動や上陸がなかったエリアとされてきた。
ところが、である。少なからぬ専門家の間で「千葉は本当にクマなし県なのか」との疑念が囁かれてきたのもまた事実なのだ。どういうことなのか。
クマの生態に詳しい動物学者が、コトの次第を明かす。
「以前、千葉県内の山中でツキノワグマの生息調査を行った専門家が『クマ棚などクマの生息を示す痕跡を確認することができた』と報告しています。クマ棚はクマが木に登って果実などを食べる時にできる、鳥の巣のような木の枝の棚で、付近にクマが生息していることを示す最も明確なフィールドサインとされています。この専門家は『周辺の木の幹にはクマの爪痕とみられる大きな傷も確認された』としており、千葉の山中に若干数のツキノワグマが生息している可能性は捨てきれません」
民間の情報サイトにはツキノワグマの目撃情報が複数回
それだけではない。目下のところ、千葉県内の自治体が公表しているオフィシャルな目撃情報こそないものの、個人的な目撃情報を都道府県別に集約した民間の情報サイトなどを見ると、近年の千葉県内ではツキノワグマとみられる大型動物の目撃情報が、複数回にわたって寄せられているのだ。
動物学者が続ける。
「この手の目撃情報には誤認が含まれていますが、確度の高い情報も一定数あるため、軽視は禁物です。前述したように、専門家の生息調査では精度の高い痕跡が確認されており、県を含めた関係自治体は『千葉県にもクマはいる』ことを前提に、個体数の正確な把握など、今のうちにしかるべき対策に乗り出すべきでしょう。『クマなし県』にあぐらをかいてタカを括っていると、手遅れになりかねないからです」
危機管理の要諦は「先を見据えた周到な準備」にある。それこそ北海道や東北などのように個体数が激増してしまってからでは「時すでに遅し」なのだ。
(石森巌/ジャーナリスト)
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