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記事全文を読む→【2028ロス五輪対策】日本球界「自動投球判定(ABS)システム」導入準備で起きる大問題「コスト数千万円規模」「地方球場はどうする」
日本プロ野球界が自動投球判定(ABS)チャレンジ導入に向け、準備を進めている。メジャーリーグでは今季から導入され、野球競技が復活する2028年ロサンゼルス五輪でも採用されることが必至の状況とあって、日本球界としては追従の姿勢を示している、といったところだろう。しかし早急な導入には、球界内から慎重論が飛び出している。
さる球界OBは、大きな問題点を指摘するのだ。
「メジャーリーグでは最初に3Aで実験的に実施して、今季からの導入に踏み切った経緯があります。ロス五輪を念頭に置いたとしても、来季かの実施は現実的に不可能でしょう。各球場に専用機材とスタッフの配置が必要となり、1球場で数千万円規模のコストがかかる。12球団の足並みがすぐに揃うとは思えないね」
コスト面もさることながら、ABS導入は野球振興に大きなマイナス要素になる可能性がある。スポーツ紙プロ野球担当デスクは、
「地方球場ではどうするのか、という問題があります」
とした上で、次のように踏み込んだ。
「甲子園や東京ドームなど、年間で相当数の試合をするところは、球団として費用を負担しやすいですが、地方球場はそうはいかない。地方開催の場合、その費用は主に地元の新聞社やテレビ局、地元の商工会議所が球団から興行権を数千万円で買い取るケースが多いわけです。これには球場使用料、警備費、現地の設営費や宣伝費などが含まれますが、ここに新たなABS関連費用が数千万円も上積みされるとなれば……」
最高決定機関の12球団オーナー会議が「ノー」と言えば終わり
1年に一度、いや数年に一度の興行があるかないかという状況で、興行主はそこまでの投資を躊躇するだろう、というのだ。
「雨が降って試合中止になるリスクもあります。ABS導入に自治体を巻き込むのも難しいと思いますね。地方開催に二の足を踏む球団が出てきても不思議ではないでしょう」(前出・スポーツ紙デスク)
最近は物価高の影響で、移動費や宿泊費、会場費が高騰。収容人数の少ない地方球場での試合は年々、減る傾向にある。とはいえ、プロ野球人気を支えているのはなにも、本拠地に集まるファンだけではない。地方で試合を開催すれば新たなプロ野球ファンの掘り起こしにつながり、裾野が広がる。
現段階では地方開催にマイナスになりかねないABSの早急な導入は、自らの首を絞めるものになりかねないのだ。
「まぁNPB(日本野球機構)がいくら騒いでも、最高決定機関である12球団オーナー会議が『ノー』といえば、それで終わり。機構側に決定権はないし、まずはファームのどこかのチーム本拠地で、実験的に実施するぐらいでないかな」(前出・球界OB)
地方を尊重し、球界全体が考えて取り組むべき課題といえよう。
(阿部勝彦)
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