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記事全文を読む→【また水害】日本列島で「線状降水帯」がこれほど続発するのはなぜか…豪雨を凶暴化させる「空のベルトコンベアー」の正体
日本列島で線状降水帯による水害が相次いでいる。
千葉県では8月13日に発生した線状降水帯による記録的豪雨で、大規模な浸水被害が発生。これまで13人が亡くなり、住宅被害は6220軒に上っている。
9月2日には青森県津軽でも線状降水帯が発生。土砂崩落が発生し、弘前市などの一部道路で通行が規制された状況だ。
気象庁気象研究所の分析では、集中豪雨の発生頻度は1976年から2020年の45年間で約2.2倍に増加。激しい雨が増えていることは統計にも表れている。
ではなぜ日本では、これほど線状降水帯が猛威を振るうのか。気候問題に詳しいジャーナリストは、
「温暖化に伴って海水温や気温が上がり、大気中の水蒸気が増えています。気温が1度上がると、空気が含むことのできる水蒸気は約7%増えます。海水温の上昇も、水蒸気の供給を後押しする。つまりは『雨の材料』そのものが増えているということ。その大量の水蒸気を運んでくる経路のひとつが『大気の川』となっています。目には見えませんが、空に巨大なベルトコンベアーが通っていると考えれば分かりやすいでしょう。もともとあった輸送経路に温暖化で増えた水蒸気が載せられ、豪雨を激しくする条件が整いやすくなっているんです」
ひとつの雨雲が弱まっても後続がやってくる
厄介なのは、水蒸気が同じ場所へ届き続けるケースだ。ジャーナリストが続ける。
「偏西風の蛇行などで前線が停滞し、流れ込んだ湿った空気が前線や山地で持ち上げられると雨雲が生まれます。さらに上空の風の条件が揃うと、次々に発達する積乱雲が同じ経路を通る。ひとつの雨雲が弱まっても、後続がやってくるわけです。単発のにわか雨がバケツをひっくり返すようなものなら、線状降水帯は『蛇口を全開にしたホース』。何時間も同じ場所に水を注がれれば、川も排水設備も耐えきれなくなる。雨雲を生む昔からの仕組みに、増大した水蒸気の供給が重なることが、被害を深刻化させているのです」
近年になって「線状降水帯」という言葉を頻繁に耳にする背景には、情報発信の変化があった。
「気象庁が線状降水帯の発生を知らせる『顕著な大雨に関する気象情報』の発表を始めたのは2021年6月でした。今年5月からは『気象防災速報(線状降水帯発生)』と名称が変更された。『急に線状降水帯が増えた』と感じる背景には、危険を具体的に伝える体制が整ったことが挙げられます」(前出・ジャーナリスト)
決して「昔は大丈夫だった」というわけではないのだ。
(川瀬大輔)
1977年生まれ。国内外のビジネス、スポーツ、政治、社会問題を取材するフリー記者。
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