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記事全文を読む→NHK朝ドラ「風、薫る」がどんどんおかしくなって出るわ出るわ「そんなワケないやろ!」な描写と展開
NHK朝ドラ「風、薫る」が終盤を迎えている。残すところあと3週だ。近代看護の礎を築いた実在「トレインドナース」をモデルにしたドラマということで、放送前からかなり期待していた。
ここ数年の朝ドラでは、女性初の弁護士をモデルに描いた「虎に翼」が面白かった。だから同じ「女性初」の作品として、明治という時代に自立する女性の姿をキリリと描いてくれるのだろう、と思っていたのだ。しかも見上愛と上坂樹里のWヒロイン。見どころも見応えも「♪倍の倍のFIGHT 倍倍FIGHT」ではないかと。
ところが、だ。蓋を開けてみれば、4月に始まってからずっと、違和感しかない。当初は「いつになったら看護の話になるのだ」というイライラ。終盤の今は「いったい何を見せられているのか」だ。
看護の仕事を描くドラマなのに、肝心の看護が物語の中心にどっかり腰を据えている感じが全くしない。それどころか、気が付けばヒロインたちの「恋バナ」モードで、イケメン出しときゃ文句ないだろう、と言わんばかり。
見上演じるりんのお相手は、幼馴染の小林虎之介、最初の夫の三浦貴大、小説家志望の佐野晶哉、三度も求婚する記者の井上祐貴。上坂演じる直美のお相手は、詐欺師の藤原季節、夫の甲斐翔真。そして恋愛云々ではないが、話題性を狙っただけの役人、中村倫也などなど。
これって昔から「ナースはモテまくり」という話だったんだっけ、と思ったほどだ。
しかもそっちに注力するあまり、肝心のストーリーまでおかしなことになっている。
例えば直美の夫、甲斐翔真演じる小川吾郎だ。日清戦争で出征し、台湾で戦闘中に岩場から転落。広島の陸軍病院に護送され、そこで亡くなったのだが、瀕死の状態で担ぎ込まれたはずなのに、その顔はノーダメージ。シュッとしていて、リアリティーが全くない。役作りで10キロ痩せろとは言わないが、もう少しなんとかならないものか。
そんなに都合よく知り合いに会うものか
その吾郎、出征前は近衛歩兵軍曹ながら、毎日のように直美より早く帰ってきて夕飯を作る料理男子という設定。「男子厨房に入らず」なんて言葉はどこへやら。というか軍人さんって、そんなに暇なんかい!?
台湾で負傷した吾郎が広島の病院に運ばれ、そこには直美たちと知り合いの看護婦がいて、直美への遺言と軍服のボタンを渡される、というエピソードも……。そんなに都合よく知り合いに会いますかねえ。そもそも、台湾に病院ないんかい!?
今週さらに驚いたのは、これまで物語を支えてきた水野美紀演じるりんの母のナレ死。そしてオープニングが終わったら「さらに4年が経ち」と、わずか数分で4年すっ飛ばしの術だ。
「たいしたことない」と医者に言われていた、訪問介護の患者・平蔵(爆笑問題・太田光)は、4年経ってもいまだ動けず。「たいしたことない」と診断したヤブ医者、出てこい! 直美ものんきに平蔵と囲碁を打っていたが、それって訪問看護の仕事なんかい!?
そんなふうに毎日、見るたびに疑問噴出。とはいえ、ここまで付き合ったのだから、最後まで見ないのもなあ、と半ば意地で見ているようなもの。とっくに見切りをつけたダメ夫と別れたいのに別れられない、そんな妻の心境だ。
(堀江南/テレビソムリエ)
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