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記事全文を読む→備蓄古米21万トン「政府が買い戻し」が焼け石に水になる「2025年産米はまだ在庫だらけ」で新米が売れない!
「今年ほど新米への切り替えが憂鬱で、不安な年はない」
これは9月1日に新潟・魚沼地域で開かれた懇談会で、卸売業者から漏れた声だ。
例年なら新米は待ちに待った商機のはず。ところが今年は、
「まず2025年産を売らなければいけない。正直言って重い」
と頭を抱える業者までいる。政府が決めた備蓄米21万トンの買い戻し決定にも、生産者や卸売業者からは「少なすぎる」と不満が噴き出した。
政府が21万トンとしたのは、各年産約20万トンを5年分、保有する備蓄構成を踏まえたためだ。一方の卸側が見ているのは、積み上がった在庫の山である。2026年6月末の民間在庫は、JAなどの出荷段階と卸などの販売段階を合わせて243万トン。調査開始以降、最大の水準だ。政府が21万トンを買い戻しても、2027年6月末には最大283万トンまで膨らむと試算されている。
卸の倉庫には、高値で仕入れた2025年産米が残っている。そこへ値下がりが予想される新米が入ってくる。旧米を安くすれば赤字になり、価格を維持すれば売れない。日本米穀商連合会の調査では、会員らの約4割が2025年産米を年末以降まで抱える見通しだった。新米の仕入れに慎重な業者は8割を超えている。
卸が「21万トンでは足りない」と声を荒らげる事情は、確かに切実だ。だが、その悲鳴を聞かされる消費者の胸中は複雑だろう。
ほんの少し前までは店頭から米が消え、ようやく見つけても目を疑うような値札が付いていた。農水省のPOSデータでは、2025年11月24日~30日の平均価格は5キロ4335円。過去最高を更新していた。それでも主食だからと、家庭は高い米を買い続けるしかなかった。
「昨年の利益はどこへ消えたのか」膨らむ消費者の怒り
その間、米を扱う業者が揃って苦しんでいたわけではない。帝国データバンクによると、2025年度は米麦卸売業と米穀類小売業を合わせた「米屋」の約8割が、前年度より増益。その割合は過去20年間で最も高かった。騒動前に安く仕入れた在庫米が値上がりし、思わぬ利益を生んだ業者もいたという。
品薄時には高値を負担し、在庫が余れば今度は税金で買い戻す。「儲けは業界、ツケは国民」と映っても無理はない。卸が窮状を訴えるほど、消費者側では「昨年の利益はどこへ消えたのか」という怒りが膨らむ。
卸にとってさらに厄介なのは、高値に疲れた消費者が国産米の購入を減らしていることだ。2025年7月から2026年6月までの需要量は683万トン。比較可能な2008~2009年以降で最低となった。農水省も、米価が過去より高い中で販売数量が減り、外国産米の輸入増が需要を押し下げた可能性を指摘している。
卸が切望するのは、さらなる在庫の引き取りだ。しかし、高騰に嫌気が差して食卓に出さなくなった消費者の購買意欲まで、政府が買い戻せるわけではない。
(ケン高田)
アサ芸チョイス
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