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記事全文を読む→「高値で仕入れたコメ大量在庫」値下げして売るに売れないので「冷凍チャーハン」に転用と「消費者の恩恵」
スーパーの米売り場で5キロ4000円台の値札にため息をついた記憶は、まだ新しいはずだ。ところがその米が今、行き場を失いつつある。茶碗のご飯としては高すぎた米が、冷凍チャーハンや焼きおにぎり、パックご飯の姿で庶民の食卓に戻ってくるかもしれない。
JA栃木中央会は7月1日に開いた記者会見で、栃木県産の主食用米の価格が大幅に下落するおそれがあるとして、生産者に加工用米や米粉用米への用途変更を呼びかけた。
国が公表した4月末時点の作付け意向では、栃木県の主食用米は5万9700ヘクタール。前年実績から1600ヘクタール増え、増加面積は全国最多となった。
JA側の見通しでは、2027年6月末時点の全国の民間在庫が、過去最高水準の最大271万トンに膨らむ可能性が示されている。
こうした動きが見られるのは、栃木だけにとどまらない。JA全農本体も2026年産の生産方針で、主食用米の過剰作付けを避け、余剰分を政府備蓄米や加工用、米粉用、輸出用、飼料用に振り向ける考えを打ち出している。新潟でもJA全農にいがたが2026年産米の概算金で「最低保証額」の提示を見送った。米価暴落は現場でもう織り込みが始まっている。
「加工用米」と聞くと質の悪い米を想像しがちだが、農水省の区分では清酒などの酒類、味噌、米菓、粉類、そして加工米飯の原料を指す。加工米飯には冷凍米飯などが含まれ、冷凍チャーハンや冷凍ピラフ、冷凍焼きおにぎり、パックご飯といった米飯加工品につながる分野だ。
冷凍チャーハンの米は侮れない。ニチレイフーズ「本格炒め炒飯」は、北海道産一等米を100%使用する。粒に割れが少なく粘りが出にくい一等米だからこそ、レンジ調理でもパラパラに仕上がるという。
味の素冷凍食品の業務用チャーハンにも、原料産地情報で米を「日本」と表示する商品がある。マルハニチロ「あおり炒めの焼豚炒飯」も、販売サイトの原材料表示では「米(日本)」だ。セブンのPB炒飯でも、味の素やニチレイ系が製造する例が確認されている。「冷凍だから安物米」という先入観はもはや当たらない。
弁当・外食チェーンの米飯にも波及する余地が
もっとも、味は産地だけで決まらない。粒の大きさ、粘りの少なさ、炊き方、炒め工程、冷凍技術がモノを言う世界であり、加工用米が増えれば必ず安く、うまくなるとは言い切れない。それでも国産米の供給余力が広がれば、メーカーの原料選びの幅は広がる。冷凍米飯や、弁当・外食チェーンの米飯にも波及する余地は十分あるのだ。
消費者からすれば「値段が上がる時はあっという間だったのに、下がる時はゆっくりすぎる」という不満を抱くのは当然だ。ただ小売側にも、高値で仕入れた在庫を抱えて簡単に値下げできない事情がある。精米売り場の値札の動きが鈍いうちに、加工食品の分野で先に恩恵が出る展開は十分ありうるだろう。
米価下落は農家にとって死活問題であり、手放しでは喜べない。だが高値の米を我慢して買ってきた消費者には、今度は冷凍チャーハンの質と価格で取り返す番が来たかもしれない。
(ケン高田)
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