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記事全文を読む→「新米5キロ2000円台」に突入しても消費者の怒りが収まらない「米業界の自業自得」
新米5kgが3000円を割る。かつては「まさか」と思われた水準が、現実になりつつある。米余りが鮮明になる中、業界内では新米の集荷価格が前年の半分近くに下がるという見通しまで出ている。
本来なら家計への朗報のはずだが、なぜか消費者の反応は冷淡だ。
「まだ高い」
「5kg2000円に戻してから言え」
「もうパスタでいい」
値下がりが現実になっても、怒りは収まっていないのである。
この1年ほど、スーパーの米売り場では5kg4000円台、5000円台の値札が珍しくなかった。主食だから仕方がないと我慢して、払い続けた。しかし「どうせ買うだろう」と足元を見られたと感じている消費者は少なくない。主食だからこそ、裏切られた怒りは深いのだ。
一方で、流通側の苦境は深刻だ。卸や集荷業者は高値で仕入れた。簡単には安く売れない。しかし倉庫には容赦ない現実が降りかかる。6月中旬、新潟県内のJA倉庫では2025年産米が山積みのまま動かず、担当者が「このままだと新米を入れられない」とため息をついた。新米が収穫されれば、古い在庫はさらに売りにくくなる。高値で仕入れた在庫が、時間とともに圧力を増していく。これが損切り地獄だ。
値崩れはすでに始まっている。一部スーパーでは販売価格を大幅に引き下げ、昨秋比で1000円以上も値下がりした銘柄が出ている。ある社長は、
「去年の米が大量に残っている。新米が出た時に困るので、思い切った価格にした」
棚の片隅に「生活応援価格」と書かれた袋が増えれば、それが流通側の白旗のサインだ。
問題は米が余ったことではない。「高くても買うだろう」という流通側の読みが外れ、消費者が思ったより早く米から離れたことだ。「パスタに切り替えた」「うどんで十分」「カルローズ米に慣れた」「農家直販を探した」などなど、反応は様々で…。
北海道のJA連合会「ホクレン」によると、令和7年産の道産米の販売数量は6月20日時点で、前年同期比86%にとどまる。米は毎日の食卓に、当たり前にあったが、一度外れると、戻るには相当の理由が必要になる。
消費者が抱く不信感をどう解くか
JA全農山形が昨年春に打った新聞広告は「ごはんお茶碗1杯の価格は約49円。それでもお米は高いと感じますか」。農家の生産コストを伝えたい意図があるだろうが、家計が見ているのは茶碗ではない。レジで財布から出ていく5kgの値札だ。ここに業界側と消費者の感覚のズレがある。
都心のラーメン店では、米の仕入れ価格が下がり「ライス無料・おかわり自由」に戻した店が出てきた。
「米騒動の前よりはまだ少し高い。同じくらいまで下がれば嬉しい」
このひと言に、消費者が本当に求めているものが凝縮されている。
6月中旬、埼玉県内のスーパーでは、銘柄米が税込み2000円台に突入した。このまま在庫処分が進めば、8月には2700円から2800円の最安値圏に達し、9月の新米が3000円台前半で出てくれば、さらなる値下げ競争に火がつきかねない。
だとしても、それで消費者の信頼が戻るとは限らない。米業界が取り組むべきは、価格の問題だけではない。「どうせ買うだろう」と見られた消費者の不信感を、どう解くかだ。
(ケン高田)
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