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記事全文を読む→お盆の新幹線で繰り返される自由席争奪「非常識バトル」リュックでブロック・ベビーカー遮断・次の駅で友人が…の無法地帯
お盆や年末年始、ゴールデンウィークなどの繁忙期に限り、全車指定席で運行されている東海道・山陽新幹線「のぞみ」。今年のお盆シーズンも、自由席の数が物理的に激減した結果、指定席を確保できなかった人々が、炎天下のホームで開いた扉に向かって一斉に突進する光景が見られる。「ひかり」や「こだま」のわずか数両の自由席へ大移動するなど、ホームではパニック状態が続いているのだ。
その混乱ぶりは車内でも同様だ。リュックで座席をブロックして無言の圧力をかける若者や、ベビーカーを畳まず通路を塞ぐ主婦、複数の席を占有して「次の駅で友達が乗ってくる」と言い放つ夫婦など、文明人としての理性を忘れたサバイバルが展開されている。
鉄道ジャーナリストがアキレた表情で言う。
「自由席というのは本来、特定の人に占有権がないはずの公共空間。ところがそんな場所が『早い者勝ち』『ゴネた者勝ち』という弱肉強食のサバンナと化しています。そんな非常識な振る舞いを助長しているのが、いわゆる『譲らないと冷たい人間』という同調圧力。特にお盆シーズンの車内では、追加料金を払って指定席を確保した乗客に対しても『子供と離れてしまったので』『足が悪いから』といった弱者を強調して席の交換を強要するトラブルが起きますからね。本当にマナーもへったくれもない世の中になったものです」
自由席制度はすでに限界を迎えている
言うまでもないことだが、自由席特急券は単に「空いている席に座る権利」にすぎない。つまり座席占有の実力行使には、法的な正当性は微塵もないのである。
しかし悲しいかな、「先に座った者勝ち」という暗黙のルールが現実に存在する。こうした問題を解決する策はあるのだろうか。
前出の鉄道ジャーナリストが指摘する。
「個人のモラルに期待すること自体に無理がある現代において、今の自由席制度そのものが限界を迎えています。となれば、もはや鉄道会社が自由席を完全廃止し、全席指定に踏み切るしか、解説策はないでしょう。これで曖昧な占有権争いは消滅します。さらには顔認証技術を活用し、AIが乗客の属性や予約状況を瞬時に分析すれば、混乱を未然に防ぐことができる。そんな未来は、もはや遠い話ではないかもしれませんね」
お盆のたびに繰り返される「自由席戦争」は、鉄道会社が「人々の善意」に甘え続ける産物だったのかもしれない。だが性善説が通じなくなった今、「誰がリュックを置いたか」で争う滑稽なサバイバル劇は、そろそろ終焉を迎えるべき時期にさしかかっている。
(灯倫太郎)
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