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記事全文を読む→経歴不問で這い上がる「アウトローの再就職」(1)「日当は2万円くらい」
10年前に3万9100人いたヤクザ(準構成員含む)は昨年末時点で1万7600人に半減した。組織を離れた元アウトローたちの社会復帰は簡単ではない。脱退届を出しても「反社会的勢力」と見なされる「5年ルール」など、逆風にさらされながらも、「再就職」に懸けた男たち。汗と覚悟の転身劇に密着した。
近年はコンプライアンス意識の高まりもあって、「反社」の烙印を押された人間が、まともな正業に就けるのは稀であり、経済的に困窮し、再び「闇落ち」する者も多いという。今回は再就職に成功し、一般社会に溶け込む元アウトローたちを紹介したい。
1988年、中国残留孤児の2世を中心に東京都江戸川区葛西で結成された「怒羅権(ドラゴン)」。当初は暴走族として恐れられ、次第に複数の派閥に分かれてマフィア化。現在、警察からは準暴力団・チャイニーズドラゴンと呼ばれる。いわゆる半グレ組織の初代総長を務めた佐々木秀夫(56)には6度の服役経験があり、最後に出所したのが8年前。佐々木が当時を振り返る。
「シャバに戻って半年間、俺はただ毎日ボーッと寝転んで、眼が覚めると酒をぐいぐい飲みながら映画を観るだけの自堕落な日々を送っていたんです」
そんな佐々木に彼の妻が真顔で声をかけた。
「そんな生活、虚しくないの?」
佐々木はその言葉にハッとして「何でもいいからとにかく働こう」と決心した。
しかし就職活動は難航した。裏社会で絶大なブランド力を誇る「怒羅権」の看板が、表の社会ではマイナスに作用した。佐々木は「正業ならどんな仕事でもいいと思っていた」と高たかを括っていたが、世間の目は厳しかった。
「商売をしているカタギの知人に電話しても、『佐々木さんにこんな仕事させられませんよ』なんて体よく断られる。そんなことが何件も続いた。ところがある日、以前から知っていた工務店の社長にダメ元で連絡を取ったら、あっけなくOKが出た。仕事は大工。これまで経験がなかったが、やればやるほどこの仕事がおもしろくなり、充実感も覚え、今日まで続けてこれた感じかな。だから俺の場合、大工になろうと思ってなったわけじゃないんですよ。怒羅権にしてもそう。暴走族とかマフィアを作ろうと思って作ったわけじゃない。ただその時代時代を懸命に生きてきた結果だと思っています」
人手不足と言われる建設業界。大工は稼げるイメージがあるが、実際のところどうなのか。
「日当にすれば1万5000円から2万円くらいじゃないかな。基本的に週6日勤務。悪くはないけど、そこまで儲かる仕事でもないよ」
フリーライター/根本直樹
アサ芸チョイス
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