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記事全文を読む→経歴不問で這い上がる「アウトローの再就職」(2)面接で「反社ですか?」
覚醒剤の取引で中国の刑務所に14年間収監されていた元ヤクザの富三(通称、50代)も再就職の壁にぶち当たった一人だ。
24年に帰国し、組織の組員として過ごしていたが、その1年後にみずから警察署に赴き「脱退届」を提出して足を洗った。
「当初、ライドシェアや配車サービスの面接を受けたが簡単じゃなかった。現役を退き、わずか2、3カ月しか経っておらず、ヤクザ的な雰囲気が抜けていなかったのも原因だと思う」
次に富三は風俗店の送迎ドライバーの仕事を求人サイトで見つけ、面接にこぎつけることができた。ところが、面接を担当する店長からいきなり「反社ですか?」と聞かれ、ショックを覚える。
「最初ははぐらかしていたが、後で嘘がバレるほうがツラい。私は正直にまだ離脱して数カ月しか経っていないことを伝え、帰宅しました。どうせダメだろうと思ってましたね」
その日の晩、店長から連絡が入り、こう告げられた。
「本店からの正式な指示はまだないが、私は富三さんを信じ、カタギの人生の第一歩を応援したい。私の一存で採用といたします」
その時のことを今でもよく覚えているという。
「私のような人間をあえて採用してくれた店長の心意気に感動し、ボロボロ泣きましたよ」
働き始めて約半年、富三は風俗ドライバーの仕事が楽しくて仕方ないという。
「週6日、1日12時間勤務と仕事自体はハードですが、とてもやり甲斐を感じています。給料は週払いで8万から9万円ほど。女性キャストの送迎は自分の車を使い、燃料代や高速代は一時自分で立て替えて、後から精算するシステムです。待機は事務所ではなく車内。それが気楽でいいんですよね」
若い頃は親分を乗せてハンドルを握ることもあっただろう。ヤクザの運転技術は折り紙つきだ。
「雨が降っている時は、たとえわずかな距離でも傘を持ってキャストを迎えに行きますし、寒がりのキャストのためにひざ掛けを用意しています」
カタギにはない心遣いが店内で評判を呼んだ。
「先日、送迎ドライバーの中で人気ナンバーワンだと店長に言われ、妙にうれしかったですね」
そんな富三の心の支えになっているのが、日本で出会った中国人の恋人だ。
「今は別々に住んでいるが、いずれ彼女とその子供たちと一緒に暮らしたい。そのために頑張ってるんですよ」
目標実現のため、副業として運転代行のドライバーを始める予定だ。
フリーライター/根本直樹
アサ芸チョイス
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