社会
Posted on 2026年10月31日 21:02

経歴不問で這い上がる「アウトローの再就職」(3)ヤクザからコンビニの店員に

2026年10月31日 21:02

「ヤクザから足を洗い、カタギになって18年も経つが、いまだに人生の迷子のようなものですよ」

 関東の老舗組織にいた羽月カズヒロ(52)の仕事歴はバラエティーに富んでいる。ヤクザ時代はシノギとして闇金を運営し、毎月数百万円の上がりを手にしていた時期もある。

「わずかな期間ですけど、その頃がいちばん儲かっていましたね。でも元来、商売が苦手というか、好きじゃないんですよ」

 羽月は傷害などで3度服役。最後の服役を終えた4年前にも、

「手っ取り早く金になる」との思惑から、ヤクザや不良を相手に無許可の貸金業を始めたが、

「貸した金は飛ばれまくって回収できず、嫌になっちゃった」

 その後、闇カジノの用心棒など違法な仕事に手を出したこともあった。だが、「もう刑務所は勘弁」という思いから、正業に就こうと決心した。それまで、斫(はつり:工事現場でコンクリートや石材などの硬い材料に穴を開けたり、削ったりする作業)や解体など、現場仕事はひととおり経験してきたが、いずれも短期間のアルバイト。就職先として最初にチャレンジしたのがタクシーの運転手だった。

 地元船橋市のタクシー会社に採用され、会社の費用で2種免許を取得。運転手デビューを果たすも、駅のタクシー乗り場で別のタクシー会社の運転手と喧嘩になり、わずか3週間ほどで解雇となってしまった。

 今はどうやって生計を立てているのか?

「駅舎の屋根の修理のバイトや、防水関係のバイトで何とか食いつないでいますよ。日当は1万2000円か、1万3000円ってところ。雨の日は中止になる仕事なので、けっこうキツいです」

 そんな羽月には、プロのキックボクサーという別の顔がある。今後の展望を尋ねると、

「今年11月に開かれるキックの大会で勝つこと。まずはそれが最優先で、今はバイトをしながらジムに通って、ひたすらトレーニングの毎日です。本格的な仕事探しはそのあとですね。今やすっかり貧乏に慣れ、むしろこの生活を楽しんでいます」

 脛すねに傷を持つ元アウトローが社会人としてうまくやっていくにはどうしたらいいのか。

 ヤクザからコンビニの店員に転身し、バイト歴10年で店長にまで上り詰めたM(40代前半)に聞いた。

「まずは見た目からヤクザっぽさを完璧に消すこと。カタギらしい服装、髪型を心がけ、誰とでも敬語で話す。あとは新しい仕事を徹底的に学ぶ、覚える。そして一般の従業員の2倍、3倍、仕事に精を出す。真剣に取り組む。そういう地道な努力を続けていくしかないと思います」

 これからも第二の人生を見守っていきたい。

フリーライター/根本直樹

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