別の防衛省関係者・B氏は、さらにこんな「恐怖のシナリオ」を明かす。
「日本の迎撃システムにも実は、厳密に言えば技術的な限界があるんです。『ムスダン』のような射程が長いミサイルが非常に高い上空から日本を目がけ発射された場合、迎撃が成功する確率は非常に低い。
北朝鮮が本気で日本を攻撃しようとしたら、先制攻撃をしないかぎり被弾から逃れられない。日米でそれに対抗する技術開発を進めていますがまだ試作段階で、運用段階に入るのは約2年後。つまるところ今の日本の迎撃システムは張り子の虎で一定の抑止力しかない。予算の都合で実践的な拡充はされないままでいる。平和ボケした自衛隊にできることは抑止力を誇示することぐらいでしょう」
A氏の言う法的な問題にB氏の明かす技術的な問題。日本は、まるで無防備とさえ思えてくる。あらためて、防衛省に今回のミサイルで日本が危険にさらされた場合の迎撃が成功する可能性について問いただしてみると、驚くことにこんな反応なのである。
「今回、どういうミサイルが打ち上げられるか、現在つかめておりません。では、PAC3やMS3でどこまで対応できるかと言えば‥‥。運用面に関わることでお話しできません」(広報室) こうなるともう北朝鮮が発射を翻意する可能性を探りたいところ。しかし、前出の辺氏はきわめて懐疑的だ。
「今回のミサイル発射で北朝鮮がアメリカの反発を買い、約束されていた24万トンの食料支援がフイになる。これを北朝鮮は恐れていると指摘する意見もありますが、それは違います。北朝鮮は今回のミサイル開発に8億ドル相当の金を投じたとされている。8億ドルといえば、140万トン分の米やトウモロコシ分に相当する。24万トンの支援で発射を中止することはありえないんです。事実、00年に金正日は当時のクリントン米大統領に核開発中止の条件として、3年間で30億ドルの経済協力を約束させました。一方、24万トンの食料は1億ドルもしない。今回のミサイル開発技術を将来手放すことを表明することで、より高価な支援を引き出すことができるという意味でも、発射の中止はないでしょうね」
一方、国際ジャーナリストで北朝鮮事情にも詳しい惠谷治氏は、今回は日本がミサイル着弾による被害を受ける可能性は低いとしたうえで、こう話す。
「多少ミサイルの軌道がズレても、あえて迎撃はしないでしょう。日米にとってミサイル飛行時の観察データは宝の山。傍受した情報から北朝鮮の現在の技術力を調べる格好のチャンスで、日本にとっては、PAC3やイージス艦が迎撃を想定した実戦訓練の場にもなりますからね」
いわば、日、米、朝にとって「ウィンウィン」になるというのだが、間違っても原発に着弾、などとならないことを祈るばかりだ。
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