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勝俣前会長の影響力を削げ!
当然、総会では株主からも怒りの声が上がった。ある株主はこう質問した。
「石油会社に行く人もいるんだから、燃料費が安くなるとかメリットがあるんでしょうね」
これに対して、議長を務めた勝俣恒久前会長(72)はこう答えた。
「先方からのご依頼を受けて、それを受諾したということで‥‥」
まるで、株主の皮肉が伝わっていない。用意された回答を繰り返すばかりだった。
前出とは別の東電社員が言う。
「かつてのウチの会社は、常務以上で退任した役員はグループ企業の副社長クラスに天下りして、次期社長になるというのがお決まりのコースでした。それに比べれば、今回の『天下り』は社外取締役が多い。それだけ資産売却や経営統合が進んで、天下り先がなくなっているのです」
しかし、昨年の総会で退任した清水正孝元社長(68)が、こっそりと「天下り」を果たしている。しかも、東電が間接出資する石油会社である。
「世間から見れば、あれだけの失態を演じておいて、1年ぐらいでほとぼりが冷めたと判断したのは甘いと言われるかもしれません。とはいえ、清水氏は毎月20万円程度の収入しか得られないそうです。他の社外取締役に天下った役員も似たようなものでしょう。木村滋前取締役(64)にいたっては、天下り先の電事連は電力会社の役員が会長や副会長を務めており、基本的には無報酬です。もちろん、役員退任後に電事連副会長に再任されるのは初めてのケースですから、ウチがいくばくかの報酬を払うことになりそうですが‥‥」(前出・東電社員)
しかし、収入の多寡が問題なのではない。
今回の総会では筆頭株主の東京都から東電の体質改善を求める議案が提出されていた。以前から、東京都副知事の猪瀬直樹氏は、東電の「天下り」を問題視していた。天下った東電OBを食わせるために、グループ会社との間で随意契約が横行。東電の高コスト体質の原因であると主張してきた。議案はいずれも否決されてしまったが、総会に出席していた猪瀬氏は勝俣氏にこう迫ったのだ。
「勝俣さん、あなたは確かにカリスマだ。しかし、それだけ影響力がある。日本原電の社外取締役という役職からも退くというお考えはないのか」
天下り先から降りようとしない勝俣氏は、東電再建を託された下川邊和彦会長(64)にとっては、目の上のタンコブでしかないというわけだ。
前出・経済部記者が言う。
「勝俣氏は西澤俊夫前社長(61)を経営陣に残したかったが、政府に否定されると、意のままにならないことが気に入らなかったのでしょう。『東電を潰してください』と言ったそうです。それほどの人ですから、退任後も影響力を発揮する可能性は大きい。下川邊氏は退任した社長や会長を『社友』にする制度を凍結し、おとなしいタイプの社内役員をそろえるなど、善戦しています。でも、電気料金値上げと柏崎原発再稼働は勝俣氏の悲願でしたから、本当の戦いはこれからでしょう」
野田総理よ! OBたちが跋ばっ扈こする東電なんかに公的資金を注入している場合じゃないだろう。
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