エンタメ
Posted on 2016年08月29日 05:54

世界のベストセラーを作った「日本マンガ史」解体“深”書!(1)世界売り上げ占有率は92%

2016年08月29日 05:54

20160901e1st

 売り上げ、内容ともに世界一──。「マンガ」は今や、日本の代表的文化として世界に広く認知されている。日本の漫画はなぜこんなにも面白いのか。なぜ続々と突出した漫画家が生まれ続けるのか。世界のベストセラーを作った源流に迫る!

 日本の漫画が世界市場を席巻している。アニメやゲームなどとの線引きが難しいが、漫画単行本中心の市場を考えると、全世界で数兆円規模、日本だけで4000億~5000億円ほどに上る。

 世界で最も売れた漫画は何か。1941年刊行開始のシリーズ「クラシックス・イラストレイテッド」(A・L・カンター編)の全169巻で、累計なんと10億冊。二番手がマーベル社の「Xメン」で5億冊、3番目にはスヌーピーでおなじみ「ピーナッツ」の4億冊で、ベスト3はアメリカの漫画が独占する。

 日本では「ONE PIECE」の3億8000万冊が最高で、世界第6位。7位にフランスの「ルキ・ルク」が入り、8位に2億8000万冊の「ゴルゴ13」がランクインする。その先は日本の漫画が目白押しで、「ドラゴンボール」「NARUTO」「ブラック・ジャック」「ドラえもん」と続く。日本漫画は世界ベスト50のうちの30冊を占めているのだ。

 日本の漫画が本格的に海外進出を始めたのは72~73年のこと。そこで74年以降に登場した作品に絞って、世界の漫画市場を眺めてみよう。「ゴルゴ13」や「ドラえもん」が省かれ、ベスト50に入っている「サザエさん」「鉄腕アトム」も除外される。アメリカの「Xメン」「ピーナッツ」も外れるが、その結果は‥‥。

 1位が「ONE PIECE」、2位「ドラゴンボール」、3位「NARUTO」と、ベスト3を日本漫画が独占している。同率3位にアメリカの「ウォッチメン」が入るが、5位は「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、6位「名探偵コナン」と、再び日本漫画が登場する。ベスト50に日本漫画がなんと46タイトルも入り、日本漫画占有率は92%。圧倒的な強さである。

 これをさらに20年繰り上げ、94年以降に世に出た作品に限定すると、「ドラゴンボール」「こち亀」が外れるが、それでもベスト20を日本作品が席巻してしまう(ベスト50まで独占すると思われるが、外国作品の部数が確定できない)。

 この20~30年、世界の漫画市場は日本勢に押され、どこの国でも日本漫画が市場を圧倒してきた。どうしてだろうか。早い話、それは日本の漫画が面白いからだ。

 漫画は「絵」「ストーリー」「キャラクター」「構成力」の4つの要素で決まるとされる。キャラクターが確立し、物語が魅力的で、絵が巧ければヒット作が生まれると考えがちだが、実は構成力がより重要なのだ。

 日本の漫画が世界の漫画と異なっている点があるとすれば、その「構成力」と「擬声語の多さ」が挙げられる。私が大学の授業でこう解説すると、「構成力って何ですか」「擬声語の数なんて世界中同じでしょう」と、生徒からの質問やら反論でにぎやかになる。

 構成力とは「間(ま)」や「引き」という言葉で表される技法で、これは古典絵本や紙芝居にも見られる日本的な見せ方。落語にも通じるところがある。

志波秀宇(しば・ひでたか)<漫画 研究家>:昭和20年東京生まれ。早大政経学部卒。元小学館コミックス編集室室長。元名古屋造形大学客員教授。小学館入社後、コミック誌、学年誌などで水木しげる、手塚治虫、横山光輝、川崎のぼるなどを担当。先頃、日本漫画解説の著書「まんが★漫画★MANGA」(三一書房)を出版した。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    芸能
    2013年11月26日 10:00

    11月8日、歌手・島倉千代子(享年75)が肝臓ガンで死去した。島倉といえば、演歌の王道を歩むように、その生き様は苦労の連続だった。中でも、莫大な借金返済で味わった地獄は理不尽極まりなかったようで──。島倉は、男を信じて手形の保証人となったせ...

    記事全文を読む→
    芸能
    2026年05月02日 18:00

    三陸沖で再び地震が発生し、富士山噴火を危惧する特番が組まれ、高市政権は武器輸出を解禁─この不穏な流れは何かの兆しなのか?いち早く察知したのは「Mr.都市伝説」関暁夫氏だ。30年以上前に作られたカードが、驚愕の未来を暗示しているという。いった...

    記事全文を読む→
    スポーツ
    2026年05月03日 18:00

    世界の大谷翔平の背中を追う「後継者」が、同じ米国で静かに存在感を強めようとしている。日本を経由せずに米大学で名を馳せて、即メジャー入団を夢見る怪物のことだ。ところが今、その進路を巡って“別シナリオ”が確定的と言われているのだ。は...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/4/28発売
    ■680円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク