社会

東電本店「150時間映像」が語る重大新事実!TV・新聞が伝えない3・11緊迫事態の全貌 後編(3)

ないがしろにされた安全対策

 3号機爆発後に問題になり始めたのは、2号機の状態悪化である。午後1時過ぎにそれまで機能していた非常時の炉心冷却装置の1つ原子炉隔離時冷却系(RCIC)が機能喪失して、原子炉内の水位が低下し始めたのである。

 当時のテレビ会議でのやり取りでも、水位が核燃料頂部(TAF)に到達し、燃料棒がむき出しになり始めるのは、14日午後4〜6時と予想されている。つまり、2号機の水位低下から3時間以内には何らかの手は打たねばならなかったのである。

 ところが、1号機に続いて3号機まで爆発した福島第一原発構内は、がれきも散乱し、各原子炉に注水するポンプなども破損していたのである。さらに、爆発で敷地内は急激に放射線量が上昇していた。

 この2号機原子炉内水位低下直後には、次のようなやり取りが飛び出す。

1F・保安班 保安班より情報を共有します。本店●●さん(匿名)がNISAと調整いたしまして、緊急復旧時の個人の被ばく、今、100で管理しておりますが、250まで認めるということで調整されたそうです。しかしながら企業さんにおきましては、あくまで事前契約がどういう形でできていて現場で働いている方が説明できているというのが前提でございますので、十分注意されるようお願いします。これにつきましては当社社員ということが対象でございますので、企業さんと実施する場合に対しては、事前に契約が必要となります。

 これは原発作業員の年間被ばく許容量100ミリシーベルトでは、もはや事故収束作業は行えなくなるため、非常時対応として、原子力安全・保安院はその限度を250ミリシーベルトまで認めることに決めたというわけである。しかし、この保安班の発言を受けて、下請けの作業員の被ばくについて次のような発言が飛び出した。

本店・高橋フェロー もうこんな時に契約なんかあとで何とでもなるんじゃないのそれ? まあ、本人が嫌だって言えばしょうがないんだけど。

 非常事態とはいえ、最終的な雇用責任を持たない非東電社員たちにこそ、最大限配慮すべき安全対策を、ないがしろにしてもかまわないと言わんばかりのきわめて乱暴な言いぐさだ。

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