エンタメ

西郷どんと維新の策士たちの「オモテ」「ウラ」(3)西郷はどんどん暴走していた!!

河合 新春から始まるNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」は楽しみですね。

美甘子 まだ詳しく知らないんですが、西郷さんと大久保利通のちょっと仲いい感じとか、ボーイズラブ的なところもあるという噂が聞こえてきていて‥‥。

河合 薩摩では、年長者が年下の者たちの面倒を見るという教育制度が昔からあり、そういう中で今から見るとボーイズラブ的な男同士の関係というのもあったかもしれません。

美甘子 大久保がいなかったら西郷さんはどんどん暴走して大変なことになっていたかもしれませんね。

河合 西郷っていう人は、けっこう気分屋さんで、江戸を攻める強硬派だったはずなのに、勝と会談して江戸を攻撃せず慶喜の首も取らないということをその場で約束してしまい、京都に戻って大久保に話すんですが‥‥。

美甘子 それまで言っていたことと違うじゃん、みたいなことですね(笑)。

河合 そういう西郷に大久保はいつも翻弄されるんですが、大久保は絶対にぶれないんです。大久保は岩倉使節団に加わって1年3カ月外国を見てくるんですが、日本に帰国してから、征韓論を巡って大久保と西郷は激しく対立、敗れた西郷は下野(げや)します。その後、西郷は不平士族に担がれ西南戦争を起こして死んでしまうわけです。確かに西郷は人望があったけど、日本の近代化の礎を築いたのは大久保利通だと思うし、彼をもっと評価すべきだと思います。

美甘子 同じ鹿児島の同じ町の出身の偉人なのに、やはり西郷さんなんですね。

河合 人物の評価というのは、見方によって変わるものです。歴史は一面的に見るのではなく、複眼的にいろんな見方をしないといけないと思います。

美甘子 私は「西郷どん」で、まだ発表されていないですけど、龍馬役は誰がやるのかというのがいちばん興味がありますね。

河合 西郷と龍馬は深い関わりがあるので、絶対出てくるでしょうけど、誰が演じるんでしょうね。

美甘子 西郷役の鈴木亮平さんや大久保役の瑛太さんより若い人ということで、字は違うけど同じ名前だしTBSの「陸王」で大人気の竹内涼真(りょうま)くんあたりかなと勝手に想像していますけど(笑)。

河合 大久保の描かれ方がすごく気になりますね。今書いていてこれから出る僕の新刊「大久保利通 西郷(せご)どんを屠(ほふ)った男」(徳間書店より2018年2月26日配本予定)では、従来とは違う大久保像を書いていますので、それを読んで大河ドラマを楽しんでもらえたらうれしいですね。

美甘子 あ、それはとっても楽しみ。みんなの大久保のイメージが変わるといいですね。

<プロフィール>

美甘子(みかこ) 1982年生まれ。愛媛県今治市、国宝とロマンの島・大三島出身。専修大学文学部日本語日本文学科卒業。坂本龍馬など歴史上の人物をこよなく愛する「歴ドル」として、テレビ、ラジオ、雑誌などで活躍中。高知県観光特使、神々の国宮崎PR大使、いよココロザシ大学生徒会長なども務める。著書に「龍馬はなぜあんなにモテたのか」(KKベストブック)など。趣味は歴史上の人物のお墓参りと、昭和の香り漂う純喫茶巡り。特技は幕末の志士たちの変名や辞世の句が言えること。

河合敦(かわい・あつし) 1965年、東京都出身。青山学院大学文学部史学科卒業、早稲田大学大学院博士課程単位取得満期退学(教育学研究科社会科教育専攻日本史)。高校教師27年の経験を生かし、歴史研究家、歴史作家として講演、執筆、テレビをはじめとするさまざまなメディアで日本史の解説を行っている。「読めばすっきり!よくわかる日本史」(角川SSC新書)など著書多数。昨年は自身初の歴史小説「窮鼠の一矢」(新泉社)を上梓。第17回郷土史研究賞優秀賞、第6回NTTトーク大賞優秀賞受賞。

カテゴリー: エンタメ   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
2
フジテレビ・井上清華アナ「治らない顎関節症」と「致死量ストレス」の不穏な関係
3
新2軍球団「オイシックス新潟」でくすぶる元広島・薮田和樹と元阪神・高山俊の「1軍復帰ロード」
4
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
5
「コーチに無断でフォーム改造⇒大失敗」2軍のドン底に沈んだ阪神・湯浅京己のボコボコ地獄