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【一杯酒場】東京・駒込「立呑ひろし」

名物玉子焼は「鬼平犯科帳」インスパイア フワトロ&ザクザクがたまらない

 地元密着の飲食店、大衆酒場がひしめく駒込の駅前で、ひときわ通好みのただならぬ存在感を放っているのが「立呑ひろし」。種類が300円からという立ち飲み価格ながら、店の雰囲気にも、メニューの品揃えにも、一本筋の通ったこだわりを感じる店だ。

 店名はもちろんご主人のお名前から。この店主がただものではなく、白髪を後ろでまとめ、口には白ひげ。眼光鋭く店内に目を光らせたかと思うと、常連客の何気ない冗談に「おみごと!」と拍手を送りたいような一言を返したりするので、誰もがとりこになってしまうのだ。

 値段は安くても、一皿一皿に手抜きはない。名物の「鬼平の玉子焼」は「鬼平犯科帳」に登場する品からのインスパイア。ダシがたっぷりと香るフワトロの玉子にザクザクとしたネギのアクセントが、一度食べたら忘れられない味わい。外はサクッと、中はもっちりの「揚げ出し豆腐」には、揚げた里芋にナス、さらにピーマンやネギなど季節ごとの飾り野菜が乗り、芸術的ですらある。定番の「ポテトサラダ」ひとつとっても、素材の旨みを活かした手作りの味わいがたまらない。カウンターに並ぶおかみさんお手製の日替わり大皿料理はもうひとつの名物で、これを目当てに通う客も多数いるという。

■立呑ひろし

住所:大東京都北区中里2-2-1 1F 電話:03-5394-5168 営業時間:16:00~24:00 定休日:日祝

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