芸能
Posted on 2018年03月04日 09:57

ビートたけしの名言集「ツービート キャバレー営業残酷物語」

2018年03月04日 09:57

「昔、函館のキャバレーの営業でよ、3日間泊まりで1日3ステージの漫才やる予定が、全然ウケなくて、初日の1回目でクビになって帰されたことあったな。また、あの時代はキャバレーの全盛期でよ、どこのキャバレー行っても支配人が威張ってんだ」

 先日、1970年代後半、都内某所にあった大型キャバレーの「ゴールデンショー」のチラシを入手したわたくしが、それを殿に見せると、「おっ! こんなの残ってんだ」と、いたく驚いたあと、“思い出のスイッチ”が入った殿は、漫才ブーム前夜の「ツービート キャバレー営業残酷話」を熱心に語りだし、冒頭の言葉をしみじみと漏らしたのです。これまでにも殿はちょくちょく、まったく売れていなかった時代の、苦手だったキャバレー営業話を弟子に語っています。

「また俺たちがヘタなんだ、キャバレーでのやり方が。何やってもダメでよ。そこで必ずウケてたのが綾小路きみまろだよ」

 と、よく、振り返ります。

 無名時代のツービートときみまろ師匠は、当時、キャバレーの営業で何度も顔を合わせたそうです。そんなきみまろ師匠は最近、「たけしさんのブラックネタをいくつか拝借して、アレンジしてやってました」と、殿に告白したそうです。

 で、キャバレーでの営業が嫌で嫌で仕方がなかった殿は、それでも断り切れなかった理由を「寄席で漫才やるより、断然よかったギャラのため」と回想します。

 しかし、いくらギャラがいいとはいえ、“嫌なものは嫌”な性格の殿です。「やっぱり行くのが嫌になってよ、何度もすっぽかしたな」と、開き直ったそうです。

 そういえば、浅草無名時代の殿と飲み歩いていた石倉三郎さんにインタビューをした際、「たけちゃんのすごいところは、開き直り」と、語っていました。一方、相方が現場に来なかったきよし師匠は、一人で手品をしたり、急きょ、芸人仲間を呼び寄せてはツービートのフリをして漫才をしたりと、なんとか逃げ切ったとか。それはそれですごい! 

 そんな、何をやってもダメだったキャバレー営業時代の中で、“あれはウケた”といった日が2回あったそうです。

 一つは、漫才でなく、チャンバラコントをした際、殿の振り回すおもちゃの刀が前に座っている客の頭に当たって、その客が怒って舞台に上がってきての大乱闘となり、観ていた客は〈そういうショー〉だと勘違いして、とにかく大ウケだったと。もう一つは──。

「あんまりウケないもんだから、俺がポコ○ン出して、ポコ○ンをお盆の上に乗せて、ケチャップ塗って、『フランクフルトいかがですか?』ってホール回ったら大ウケなんだよ。それで終わったあとに支配人が来て、『いや~、いい芸ですね。またお願いします』なんて言われたけど、そんなもん芸でも何でもねーよ!」

 仕事をすっぽかす殿。来たら来たで、ポコ○ンを出す殿。殿の開き直りは、昔から、常にアナーキーなのです。

ビートたけしが責任編集長を務める有料ネットマガジン「お笑いKGB」好評配信中!

http://www.owarai-kgb.jp/

◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年01月14日 07:30

    昨年あたりから平成レトロブームを追い風に、空前の「シール」ブームが続いている。かつては子供向け文具の定番だったシールだが、今や「大人が本気で集めるコレクターズアイテム」として存在感を放つ。1980年代から90年代を思わせる配色やモチーフ、ぷ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月19日 07:30

    鉄道などの公共交通機関で通勤する人が、乗車の際に使っている定期券。きっぷを毎回買うよりは当然ながらお得になっているのだが、合法的にもっと安く購入する方法があるのをご存じだろうか。それが「分割定期券」だ。これはA駅からC駅の通勤区間の定期券を...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月22日 07:30

    今年も確定申告の季節がやってきた。「面倒だけど、去年と同じやり方で済ませればいい」と考える人は少なくないだろう。しかし、令和7年分(2025年分)の確定申告は、従来の感覚では対応しきれないものになっている。昨年からの税制の見直しにより、内容...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/2/3発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク