スポーツ
Posted on 2012年12月18日 09:59

巨人軍・元寮長が明かす「突然、長嶋が熱血指導」

2012年12月18日 09:59

 公私にわたるつきあいは、原が監督となってからも続いている。寮長となった樋澤氏は、選手の退寮時期の決定なども任されていた。それだけ、原監督から厚い信頼を寄せられていたということだろう。

「あいつが監督になってからも、よく飲みに行きました。余談ですが、原は歌もうまくてね。シャ乱Qの『空を見なよ』なんかを歌うと、プロ級の歌唱力ですよ」

 今季5冠を達成したとはいえ、原監督にとって12年は波乱のシーズンだった。特に、清武英利氏による数々の“爆弾”で、神経をすり減らされたことは容易に想像できる。

「江川の名前を出し、もともと仲がよかった原と岡崎との関係をギクシャクさせたのも清武君。野球の素人が球団の体質を変えようとして、変な方向に先走りしてしまったんでしょうね。清武君にはいろいろ言いたいことがあるけど、“独りよがり”はそろそろやめてもらいたい」

 樋澤氏にとって、原とともに特別な存在となっているのがONだ。樋澤氏が入団した当時はV9の真っただ中。樋澤氏は一軍出場機会に恵まれず、5年でユニホームを脱ぐことになった。

「ONだけでなく、土井さん、柴田さんなどすごいメンバーばかり。野手は固定されていて、若手にはチャンスすら巡ってこない。プロで1年やって、『違う仕事を探そう』と思ったぐらいですから(笑)。そんな中でもONはやはり別格。現役時代、長嶋茂雄さん(76)とはほとんど話ができませんでした。近寄りがたいオーラが出ていましたからね」

 そんな神のような男との距離感は、長嶋の引退後、徐々に縮まっていくことになる。長嶋の自宅は、当時のジャイアンツ球場から徒歩圏内にあった。ある日、散歩中の長嶋が球場を訪れ、若い選手への指導を始めたのである。

「私が三軍コーチだった頃かな。散歩中の長嶋さんが突然現れ、選手に熱血指導を始めたんです。そして、私と目が合った時、『樋澤、元気か?』と声をかけてくれて‥‥。それまで、ほとんど話をしたことがなかったので、まさか自分のことを覚えているとは思いもよりませんでした。そりゃ、感動しましたよ」

 脳梗塞を患った長嶋は、現在も懸命のリハビリを続けている。樋澤氏は「ある思いがあるからにほかならない」という。

「長嶋さんには『もう一度監督をやりたい』という夢があるんです。誰が何と言おうが、長嶋さんはその夢をあきらめないでしょう。それに、長嶋さんなら奇跡を起こしてしまうんじゃないかと思うんですよ。もう一度、長嶋さんの全試合で勝ちに行く攻撃型の野球が見てみたいですね」

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/6/24発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク