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記事全文を読む→山口健治の“江戸”鷹の目診断「取手記念」
優勝候補の筆頭は脇本雄太の逃げ切り
成績のギアを一段上げるには、戦法に幅を持たせることも効果がある。
「取手記念」(6月26日【木】~29日【日】)に出走予定のS級S班は、後閑信一と金子貴志。2人は前走の宇都宮高松宮記念杯でセミファイナル敗退も、調子落ちは感じさせなかった。ただし、今回は決勝戦で稲川翔のGI初Vに貢献した脇本雄太が立ちはだかる。この快速先行を相手に、どんな戦いを見せるかがシリーズの焦点になりそうだ。
地元の芦澤大輔が伸び悩んでいる。機動力に自信があるからだろうが、要のレースで好戦して届かずを繰り返しているのは、決め手が足りないことに尽きる。宮杯を勝った、同期90期の稲川は、すでに追い込みの地位を確かなものにしつつある。
動きのいい芦澤がヨコができないとは思えない。完全な追い込み型に転向してみては、とは言えないが、つけられる先行がいるレースでは、番手で戦う時期に来ているのではないか。
宮杯最終日に1勝したものの、それまでの3日間、精彩を欠いたのが井上昌己。まだ34歳、勤続疲労が出ているとは思えない。九州勢はやや劣勢も、宮杯決勝戦2着に健闘した2歳上の大塚健一郎を励みに、立て直してほしい。
さて、並びと展開。地元茨城は芦澤─浦川尊明、関東は池田勇人─後閑。飯野祐太─山田敦也の北日本両者と、新田康仁─成清貴之─内藤秀久の南関トリオまでが東日本の圏内。西日本は中部の金子─加藤慎平、近畿の脇本─伊藤保文、井上昌─高原仁志─小川圭二の九州四国連合が有力と見た。他では小野俊之と野田源一の進出もありそうだが、野田は単騎戦選択か。
先行に磨きがかかる脇本の一人旅。芦澤は3番手、金子の仕掛けに合わせて、池田と井上昌が動くことになる。
今の脇本は誰にも止められない。逃げ切りを優勝候補の筆頭に押す。対抗は2段駆けの後閑、3番手評価は差がなく金子。芦澤は脇本の番手を取れば浮上だ。
伏兵は、及川裕奨(岩手・86期)、篠原忍(愛知・91期)、小原唯志(茨城・101期)の機動型3選手。及川は5月別府記念【1】【3】【3】●【8】(●は決勝レースの着順)の好走が光り、篠原は1着を量産している。そして、地元の小原はアイススケート出身で武田豊樹の弟子。3月FI福井でSI初優勝を飾った勢いに賭けてみたい。
◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。
◆アサヒ芸能6/24発売(7/3号)より
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