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記事全文を読む→アナタのその行きつけの店、ブラック厨房ですよ!(1)“阪急阪神ホテルズ”は氷山の一角
こだわりの食材が全てウソだった──阪急阪神ホテルズの事件で再び食の信頼が揺らいでいる。利潤を追求する企業と、ブランドを盲信する消費者の関係が、“食材詐欺”をはびこらせた原因だという。バレづらく簡単に利益を上げられる「悪徳商法」から身を守る方法とは──。
10月22日、阪急阪神ホテルズ(大阪市)は、全国の直営8ホテルなどにある計23カ所のレストラン・宴会場で、料理メニューの表示と異なる食材を最長7年も提供していたと発表した。同社の出崎弘社長(当時)は、
「偽装ではなく誤表示」
と繰り返し弁明をしたが、47種類に及ぶ食材が“誤表記”で済まされるはずもなく、1週間後、辞任を発表した。
「今回の問題で、阪急阪神グループ全体の信用を失墜させた」
こう悔しさをにじませた出崎氏だが、消費者問題研究所代表で食品問題評論家の垣田達哉氏はこう語る。
「お客様への迷惑の責任を取って辞任しますという言葉は聞けませんでした。このことが象徴するように、企業が利潤追求ありきで、消費者の顔が見えていないことがこの問題の根本に横たわっていると考えます」
辞任会見には中国料理の責任者も同席し、「バナメイエビ」を「芝エビ」と表記したことに対して、こう説明したのだ。
「我々、中国料理の世界では、皆さんご存じのように、カンシャオシャーレン(干焼蝦仁)と書くと、『シャーレン=芝エビ』のチリソース煮、『芝エビ=小エビ』の総称という認識でありました」
責任者の言う「エビチリ」を開発したのは料理人・陳建一氏の父・陳建民氏である。そこで陳氏の料理店に“中華の常識”を確認すると、担当者は苦笑しながらこう答えたのだ。
「芝エビは芝エビという名称です。弊社では違う認識です」
「食品業界は今日も、やりたい放題」(三五館)の著者・小薮浩二郎氏は、今回の説明にこう疑問を呈する。
「間違いや認識不足は人間誰にでもあります。しかし、今回の誤表記のほとんどが“儲かる方向”で起こっています。その逆はないのは不思議で、詐欺と言われてもしかたがないでしょう」
確かに、問題になった食材の市場価格を調べると、こんな事実が明らかになるのだ。
●「レッドキャビア」3000円→「とびこ」1000円(200グラム)
●「九条ネギ」2000円→「一般的なネギ」800円(1キロ)
●芝エビ2500円→バナメイエビ1400円(1キロ)
●信州そば(105円)→日本産・中国産ブレンドそば68円(1人前)
食品偽装の歴史の中で、今回の事件の異質な部分を前出・垣田氏はこう指摘する。
「以前は、産地を偽装したり、消費期限を偽装したりしていましたが、今回は『こだわりの食材』であるブランドを偽装していました。美辞麗句がこれだけウソだったというのは今までありません。利益を追求したことが原因でしょう」
現在、規模の大小を問わず多くの飲食店では「ブランド食材」を集客の目玉としている。阪急阪神ホテルズは氷山の一角で、あなたのその行きつけ店も、安心していられないことが明らかになったのだ。
◆アサヒ芸能11/5発売(11/14号)より
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