社会

「韓国慰安婦証言」スクープ!私はこう思う!(5)“強制連行はあった”-ジャーナリスト・大谷昭宏

 慰安婦の強制連行があったか、なかったか、わからない段階で、今、日本が元従軍慰安婦の強制連行は「なかった」と言い張ること自体、間違っていると考えます。「あった」という人たちを支えているのは、元慰安婦のおばあさんたちの証言です。一方、「なかった」と主張する人たちは、根拠になるものや証人だっていません。

 それにもかかわらず、「河野談話」まで蒸し返して、口にすることは卑劣ではないでしょうか。

 加害者と被害者の双方を調べて徹底的に取材を行って、初めて正しい報道と言えます。産経新聞の報道は最初から「元慰安婦はデタラメでウソをついている」という意図に基づいているものです。つまり、この記事は、一方的にこうだと主張する記事ですから、強制連行の有無を証明する参考になりません。

 歴史は語られるものと、科学的に検証するものと2つあります。語られる場合は、為政者の都合のいいほうで作られることが多いのです。中国を見ても明らかですが、自分に都合の悪い歴史を変えて語るわけです。

 また、科学的歴史の検証は、いつ、どこで、誰が調べても同じ答え、結論が出てこなければならない。今回の産経の記事は「河野談話」の調査がずさんであるということを示したに過ぎず、強制連行の否定を、科学的に検証したものだとは思えないのです。

(呉智英氏の章で解説した)吉田清治氏の著書が、ずさんでデタラメなのは確かでした。でっち上げから従軍慰安婦問題は始まっていますが、強制連行の事実がなかったとは言えません。殺人事件で誤認逮捕したからといって、殺人そのものがなくなったわけではないのです。

 10年ほど前、大阪のイベントで元従軍慰安婦の方と会って話をしました。慰安婦の仕事によって、何人もの兵士の相手をさせられて、性的な病気になり、子宮摘出の手術を受けることになってできた傷もあるそうです。恥部をさらして、ここまで明らかにする、このおばあさんがウソをついても何の得もありません。また、そんな人に、お前はウソをついているだろうと言うほど失礼なことはないでしょう。私は、その人の証言を、重く受け止めるべきだと実感しました。

 性暴力は戦争時について回るとはいえ、しかたがなかったことで済ませられるものではない。謝っても、謝っても、謝りきれない戦争犯罪をしたわけですから、どこまでも、素直に認めて詫びるべきです。

 今後の補償については、日韓基本条約の時に決着がついているので、法律を盾にして戦ってもいいと思います。法律を盾にして補償金を支払わないからといっても、謝らないわけではないし、一度支払ったら際限なく続いてしまいます。

 従軍慰安婦の問題に関しては、ひたすら謝り続けないかぎり、日韓の溝は埋まらないのです。

カテゴリー: 社会   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
楽天・田中将大に「不可解な動き」次回登板のメドなしで「無期限2軍」の不穏
2
【ボクシング】井上尚弥「3階級4団体統一は可能なのか」に畑山隆則の見解は「ヤバイんじゃないか」【2024年3月BEST】
3
「すごく迷惑ですね」沖縄せんべろ居酒屋店員が嘆く「招かれざる客」のやりたい放題【2024年3月BEST】
4
藤吉久美子が「バス旅に出たい」衝撃宣言!夫・太川陽介には秘密だった「蛭子能収との約束」
5
水原一平が訴追されて大谷翔平の「次なる問題」は真美子夫人の「語学力アップ」