社会
Posted on 2025年06月22日 09:58

「ルッキズム」恐怖の深淵!子供に「危険な注射」整形王国の韓国で過熱する「高身長ビジネス」

2025年06月22日 09:58

 韓国は世界有数の美容王国として知られている。事実、首都ソウルには美容整形外科クリニックが軒を連ねる、名物ストリートが数多く存在する。

 背景にあるのは、ルッキズム(外見至上主義)への傾倒である。韓国では過酷な競争社会を象徴する高学歴や高収入などへの強いこだわりに加え、容姿をはじめとする「見た目」への関心や執着もまた、異常なまでに根強いのだ。

 その韓国で今、育ち盛りの子供を持つ親をターゲットにした「高身長ビジネス」が大きくクローズアップされている。

 高身長は就職活動でも有利に働く――。そんな親心に応えるニュービジネスで、ソウル市内では子供の身長を伸ばすための「ジム」や「クリニック」が急増しているのだ。全国紙外信部記者が事情を明かす。

「中でも過熱の一途を辿っているのが『高身長クリニック』で、『成長ホルモンを定期的に注射すれば子供の身長は伸びる』と宣伝しています。費用は月6万円から7万円と高額ですが、自宅での自己注射も含めて、成長ホルモン注射を望む親はあとを絶ちません」

 そんな中、高身長ビジネスに対する懸念の声が上がり始めた。韓国の小児科医らで作る医師会は「成長ホルモン注射による健康被害がすでに報告されている」とした上で「安易な成長ホルモン注射は末端の肥大症や骨の変形など、子供に深刻な合併症を引き起こす危険性がある」と警告しているのだ。

 日本小児内分泌学会所属の専門医も、次のように警鐘を鳴らしている。

「日本の場合、成長ホルモン注射の使用は成長ホルモン分泌不全性低身長症など、安全性が確認されている8つの疾患に対してのみ認められています。逆に言えば、対象疾患以外の病気を持つ子供や、単なる低身長の子供に施注すると、身長を伸ばす効果が得られないばかりか、有害となる可能性が指摘されているのです」

 投与量が多すぎるなど不適正に使用した場合、左室肥大や耐糖能障害などの重大な副作用が発現する危険性があるというから、コトは穏やかではない。同様の施注を自由診療で受けることができる日本とて、他人事ではないのだ。

(石森巌)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/8/5発売
    ■680円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク