政治
Posted on 2021年07月12日 05:55

宮崎謙介〈政界“魑魅魍魎”ウォッチ〉「『後継』を口にする引退議員の『目論見』」

2021年07月12日 05:55

 元衆院議員の宮崎謙介氏が足掛け5年の議員生活の経験をもとに、政治家ウオッチングやオフレコ話、政治にまつわる話を適度な塩梅で、わかりやすく「濃口政治評論家」として直言!

 伊吹文明元衆院議長は僕の師匠です。政治家・宮崎謙介の生みの親といっても過言ではありません。そんな伊吹さんが政界を引退すると表明しました。理由は自身とスタッフの高齢化ということですが、そのニュースを耳にして悲しい反面、偉大さに感謝です。

 と同時に、引退会見で後継については世襲と公募のいずれも否定。「京都に地縁、血縁がある人の中から選んでほしい」との意向を示したとのこと。地元関係者によると、京都市出身の中央省庁の官僚を推しているとか。ちょっとセンセイ、何ですか、それ。

 そもそも政治は、国民に開かれた場です。議員は広く国民から選ばれし代表。「世襲制度が当たり前」「地盤を引き継ぐのが政治家」なのではありません。このところ引退表明し始めた議員も、後継指名をめぐっての話題がチラホラ。自民党の塩崎恭久議員にいたっては「次世代へバトンタッチ」という名目で引退表明しましたが、言葉通りになんと、その次世代は自分の息子だったという‥‥。次世代ならぬ次世襲かよ!

 続いて山尾志桜里議員も引退しますが、彼女の口から「後継」なんて言葉が出た日にはもう、大暴動が起きますよ。

 本来、日本の政治には公募という制度が導入されています。始まりは92年の日本新党。その後は各党が取り入れるようになりましたが、05年の郵政選挙で自民党から多くの公募候補が当選して以降、注目を浴びています。自民党では谷垣禎一元幹事長が公募者のスタンダード化を推進しましたが、ここにきてまた退化。谷垣さんがいなくなったからなのか‥‥。

 各党によって公募制度への取り組みは異なるようですが、議員=家業ではないので、引退するのに後継という言葉を口にするのは、なんとも勘違い。ポーズでもいいから「公募もやります」と言わなければ。そう言って、圧倒的に国民から支持されるヒーローが公募してきて、負けるのが怖いってヤツですか。

 議員時代に僕がいた京都が混乱していること、本当に残念です。京都6区・安藤裕議員の「後継」も「自民党府連会長・西田昌司さんの選定一任になっている」といいますが、そんなことがあっていいわけがない。「安藤議員を選んだ西田さんが、不倫疑惑騒動を起こして辞める安藤さんの後継を選ぶ」って、その目利き、どうなんでしょう。ベースは政党政治なので違法でもないし違反ではないのでしょうが、企業にたとえるなら、古き悪しきワンマン経営の極みです。

 伊吹さんの話に戻ります。僕は政治のイロハを伊吹さんに教えてもらいました。とても筋を大事にする今どき珍しい政治家だと感じていました。昔、移動中の車中で京都政治全体の話をしてくれました。

「あいつは地方議員出身、君は経営系出身で、○○は私と同じ官僚出だけど、ゆかりも大事。いろんなバランスを考えて、後継は決めていかないとね」

 と。もしかしたら今、いろんなバランスを考えて、地脈を持つ後継を決めているところなのでしょうか。

 この決定、実は僕が原因だったりして。京都出身ではない、ほぼ落下傘候補だったので「もう宮崎みたいなのは入れない!」ということなら申し訳ないなと‥‥

宮崎謙介(みやざき・けんすけ):1981年生まれ、東京都出身。早稲田大学を卒業後、日本生命などを経て12年に国会議員に。16年に辞職し、経営コンサルタント。6月30日に著書「国会議員を経験して学んだ実生活に即活かせる政治利用の件。」(徳間書店)を上梓。

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