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なぜ中国は国際社会に摩擦を引き起こすようなことをするのか。日本で最も中国を知る人物と言われる「対中戦略 無益な戦争を回避するために」(講談社)の著者・近藤大介氏が語る。
「中国の外交問題は全て内政問題の延長にあります。習近平(国家主席=60=)政権はスローガンとして『八項規定』を打ち出しました。これは腐敗防止を目的とした贅沢禁止令ですが、これほど厳しいものは毛沢東以来初めてです。ところが、いちばん腐敗しているのは230万人いる人民解放軍なので、彼らは大きな打撃を受けました」
習主席のバックボーンは軍で、その軍を敵に回すとよりどころがなくなるという。当初、軍を特別視して浄化をしなかったが、共産党幹部などの汚職摘発もやったことで、最終的に軍にも手をつけざるをえなくなった。
「今年8月、軍の創建記念日に習主席が何度も軍幹部たちに、『これからは軍も容赦しない。腐敗を摘発していく』と宣言したのです。幹部たちは焦ると同時に、習近平に対するプレッシャーをかけていった」(前出・近藤氏)
軍内部に不満が渦巻く中、11月、中国共産党第18期中央委員会第三回全体会議(通称・三中全会)が行われた。ここでは、今後5~10年の習近平政権の政策が決められたのだ。
「一般庶民は軍の腐敗を徹底的に摘発すると言ってほしかった。軍からすれば、軍備を増強して優遇すると言ってほしかった。しかし、習主席はどちらにもおもねらず『玉虫色』にしてしまったのです」(前出・近藤氏)
軍が最もおびえたのは「軍縮」だったという。トウ小平時代に150万人、江沢民・胡錦濤時代はそれぞれ50万人ずつ人民解放軍を縮小していった。これまで中国は指導者が代わるたびに軍縮を行ってきたのだ。
「軍には、また減らされるのでは、という危機感があるのです。さらに、習近平を守っているのは自分たちだという自負もあり、それで今回、一気に対日妥協はしないという強硬姿勢を打ち出してきました」(前出・近藤氏)
しかし、日本にはアメリカとの日米安保条約が存在する。日本に手をつければ、米軍相手に戦うことになるのだが、中国はアメリカは出てこないとタカをくくっているというのだ。
「オバマは戦争をできないと思われています。シリアで失敗し、イランとは核問題で妥結し、オバマは戦争をしていません。そこまではできないと予測しているようです」(前出・近藤氏)
はたして中国はどこまでエスカレートするつもりなのか。
「今から予算が決まる3月まで、軍はいっぱいあおって予算を取りたいのです。レーダー照射事件が今年1月だったのもその理由です」(前出・近藤氏)
同様に再び1月に、舞台を空に変えて過剰な挑発行為が行われることが懸念される。冒頭の最悪シミュレーションが起こらないよう、日本政府には冷静な対応が求められるのだ。
アサ芸チョイス
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