芸能

黄金の80年代アイドル「全記録ランキング」〈ギネスブック〉映画動員1位~4位を薬師丸ひろ子が占めた

 ただ夢中になったわけではない。80年代アイドルは、ビジネスというジャンルでも足跡を残した。まずは映像を中心に、驚きの記録をたどる。

 地上波しかなかった80年代、テレビの威力は今よりはるかに強かった。アイドル主演のドラマでも、別表にあるように上位10作すべてが視聴率20%を超えた。

 45.3%という記録的な最高視聴率を記録したのは、社会現象にもなった「積木くずし」(TBS系)である。アイドルグループ「わらべ」の一員だった高部知子(54)は、本作で天才女優の名をほしいままにするが、ベッドで恋人とタバコをくわえた「ニャンニャン事件」が発覚して失速してしまう。

 隠れたドラマ女王は中山美穂(51)と小泉今日子(55)のふたり。中山が4作、小泉が2作をベスト10に送り、人気が一過性ではないことを証明する。また伊藤麻衣子(57)=現・いとうまい子=の「不良少女とよばれて」(TBS系)や、堀ちえみ(54)の「スチュワーデス物語」の人気も〈大映ドラマ〉の80年代を象徴した。

 映画の世界では、驚くなかれ1位から4位までを薬師丸ひろ子(57)が独占(注・原田知世(54)との2本立て含む)。角川映画のオーディションを勝ち抜いた初代であり、テレビにほとんど出ず「映画館でしか会えない」という飢餓感が人気を後押しした。

 異色なのは10位に入った中森明菜(56)の「愛・旅立ち」(東宝)で、当時の恋人だった近藤真彦との共演作。死んだあとに空を飛ぶなどの壮大な描写で、カルト映画としても名を残している。

 CM部門では、当時のトップアイドルはいずれも、飲料水やお菓子など複数のメーカーを掛け持ちしていた。その中で女王を選ぶとなれば、やはりキョンキョンを置いてほかにない。

 出演本数だけでなく、キョンキョンの場合は「広告に出演した商品の売り上げが20%上昇する」との神話を打ち立てたのだ。

 続いて写真集部門では、河合奈保子(58)の圧勝と言っていい。まだグラビアアイドルという言葉もなかった時代、豊満な肢体と明るい笑顔のギャップで次々と写真集を発売。レコードセールスでは同期の松田聖子(59)にかなわなかったが、グラビア人気では大量リードしたものだ。

 さらに奈保子は、引退から30年以上が経過したが、ここ5年で8冊が復刊されるなど、現役時と変わらぬ売れっ子ぶりを誇る。

 お宝市場で健闘しているのは、聖子の「聖子おしゃれアルバム」(実業之日本社)と中山美穂の「美穂がんばる」(集英社)が、ともに3万円前後のプレミアム価格となって気を吐いている。

 やや変化球ではあるが、ニュースワードランキングで80年代を総括してみよう。トップクラスには聖子と神田正輝の「聖輝の挙式」(86年)、中森明菜の「マッチ宅で自裁未遂」(89年)、倉沢淳美(54)の「サイン会で暴漢に切りつけられる」(84年)などが挙げられる。

 これらを超えて、20世紀の事件史としても語り継がれるのが、あの衝撃的な岡田有希子(享年18)の「サンミュージック屋上から飛び降り自殺」(86年)だろう。当時、全盛を極めていた写真週刊誌では、現場に飛び散った脳漿までが掲載された。また、ファンの後追い自殺が30人を超えたことも、社会的ショックの大きさを表していた。

■ドラマ視聴率10傑

1位:高部知子「積木くずし(83年、TBS)」45.3%

2位:中山美穂「ママはアイドル!(87年、TBS)」28.6%

3位:伊藤麻衣子「不良少女とよばれて(84年、TBS)」27.9%

4位:堀ちえみ「スチュワーデス物語(83年、TBS)」26.8%

5位:小泉今日子「愛しあってるかい!(89年、フジテレビ)」26.6%

6位:中山美穂「毎度おさわがせします(85年、TBS)」26.2%

7位:小泉今日子「少女に何が起ったか(85年、TBS)」24.4%

8位:中山美穂「君の瞳に恋してる!(89年、フジテレビ)」23.6%

9位:浅香唯「スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇(86年、フジテレビ)」21.3%

10位:中山美穂「若奥さまは腕まくり!(88年、TBS)」20.8%

■主演映画興行成績

1位:薬師丸ひろ子/原田知世「探偵物語/時をかける少女(83年、東映)」28億

2位:薬師丸ひろ子「里見八犬伝(83年、東映)」23.2億

3位:薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃(81年、東映)」23億

4位:薬師丸ひろ子/原田知世「メイン・テーマ/愛情物語(84年、東映)」18.5億

5位:斉藤由貴「優駿(88年、東宝)」18億

6位:薬師丸ひろ子/原田知世「Wの悲劇/天国にいちばん近い島(84年、東映)」15.5億

7位:中山美穂「ビー・バップ・ハイスクール(85年、東映)」14.5億

8位:南野陽子「はいからさんが通る(87年、東映)」12.5億

9位:松田聖子「プルメリアの伝説 天国のキッス(83年、東宝)」12億

10位:中森明菜「愛・旅立ち(85年、東宝)」11.7億

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
フジテレビ・井上清華アナ「治らない顎関節症」と「致死量ストレス」の不穏な関係
2
新2軍球団「オイシックス新潟」でくすぶる元広島・薮田和樹と元阪神・高山俊の「1軍復帰ロード」
3
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
4
【ドラマ「Believe」】受刑者キムタク「スタイリッシュでカッコいい&丸刈りナシ」押し売りだらけの超ウンザリ感
5
上毛電鉄「800形」新型車両が全線営業開始!「700型」とは違う「ガッカリ&歓喜」ポイントがあった