スポーツ
Posted on 2014年03月06日 09:57

掛布雅之 鳥谷に命じた「3割・30本・30盗塁」

2014年03月06日 09:57

 各チームで練習試合も始まり、キャンプもいよいよシーズンを意識した実践的なものになってきました。開幕戦まで残りおよそ1カ月、選手たちの準備も最終段階に入っています。

 私も13日から16日にかけて沖縄に行き、練習試合を見て、また選手の指導も行ってきました。

 まず沖縄組を見て私が感じたのは、キャプテン鳥谷敬の存在感です。練習試合を観戦していても、彼が常にチームを引っ張っていこうという意識を持っていることに気づかされます。

 だからこそ彼の指導の際には、同じく沖縄キャンプに来ていたカネ(金本知憲)とともに「今年は3割、30本、30盗塁を目指せ」とハッパをかけました。本来、彼のバッティングはカネに匹敵するほどのパワーを秘めているだけに、打撃面で活躍できないのはチームとしても悔しい。本人も「調子がよければいけると思います」と答えてくれたのはうれしいかぎりです。

 左打者には(浜風で)鬼門と呼ばれる甲子園球場でも、鳥谷なら最低でも20本塁打はしなければならないでしょう(昨年10本塁打)。かねてから言うように、彼は阪神の軸となるべき選手です。日本一になった85年もバース、私、そして岡田彰布と強烈なクリーンナップがありました。あの打撃力を再現するためには、鳥谷のバッティングは必要不可欠なのです。

 ただ、まだ彼にはやらなければいけない課題もある。それがバットを構えた時の軸足の動きです。

 これまで彼はトップを作る際、軸である左足がやや中に入った状態で勝負してしまっていました。これでは体をひねる力がバットに伝わらず、ボールを捉えても遠くに飛ばすことができません。ですから、キャンプでは軸足を内側に入れないようにして、しっかりと重心を保つように助言しました。守りだけではなくバッティングでもホームランを狙える選手に。今年の鳥谷の目標は、打撃での中心選手になることなのです。

 また、14日に行われた韓国・三星ライオンズとの練習試合では、以前から指導していた森田一成、今成亮太の2人が奮起。森田は9回裏の土壇場に同点となる3点二塁打を放ち、その勝負強さを首脳陣にアピールしました。去年の秋季キャンプから徹底してやってきたレベルでのスイングなどの、フォーム修正の成果です。

 今成も負けじと本塁打1本に3安打と、キャンプでの成長ぶりを見せてくれました。

 しかし、結果を出したとはいえ2人もまだまだフォームは未完成です。森田は足を踏み込む時に右肩が上がってしまい、完璧なレベルの状態で体が使えず、スイングのバランスが崩れてしまっています。沖縄では右足の踏み込みを確認し、肩が上がりすぎないように指導しました。

 今成の難点は、バットコントロールのよさ。もちろん、バットコントロールが優れていること自体は悪いことではありません。しかし、本人がコントロールを重視しすぎるあまりスイングの際にボールに目が近づきすぎて、スイングの形が悪くなってしまっています。もう少しリラックスしてバットを振れれば、今以上のパワーを持ったスイングになるはずなのです。

 もちろん、練習試合でそれなりの結果を出したからといっても、まだ一軍への切符をつかんだわけではありません。対戦した相手投手だって本調子ではない。投手たちが本格的なピッチングを行うのは開幕戦が迫る3月10日以降から。ですから、本当の意味で打者の実力が試されるのも3月半ば。そこから開幕戦までの試合でどれほど数字を残せるかが若虎たちの一軍定着への重要な足がかりになるでしょう。

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