芸能
Posted on 2022年06月29日 09:59

「マイ・ペース」森田貢の死去で…あの大ヒット曲「東京」が生まれた実体験とモデル女性

2022年06月29日 09:59

 東京へはもう何度も行きましたね…と、カラオケで歌ったことのある中高年は少なくないだろう。1974年のミリオンセラー「東京」。この曲を歌った3人組フォークグループ「マイ・ペース」のリードボーカル森田貢さんが6月18日、急性骨髄性白血病で死去した。68歳とまだ若く、歌に馴染んだ世代にとってはショックなニュースだった。

 秋田出身の森田さんは高校1年の時、中学時代の同級生と3人で「マイ・ペース」の前身グループを結成。その後、「マイ・ペース」と改名し、名古屋で活動していたが、74年に「東京」でデビューすると、いきなりミリオンセラーを記録した。森田さんを取材したことのあるベテラン記者が回想する。

「『東京』という曲は、東京に暮らす女性と、地方に住む男性の切ない恋愛の歌で、森田さんが実体験をもとに作った歌でした。ヒット当時、森田さんはモデルとなった女性と交際していたので、その女性は大ヒットをとても喜んでくれたそうですよ。ただ、その後は別れてしまい、別々の道を進んだようですが」

「マイ・ペース」のメンバーも別々の道へ進んだ。「東京」は大ヒットしたが、芸能界志向ではなかった3人はうまく業界の波に乗れず、数年で1人が脱退。その後は森田さんら2人で活動をしていたが、歌だけで生活するのは厳しく、森田さんはやがて裏方に回り、制作会社で音の打ち込みなど音響の仕事をしていた。

 裏方の仕事を楽しんでいた森田さんだったが、99年頃からまたライブハウスで歌うようになり00年、22年ぶりにソロでCDをリリース。10年には「マイ・ペース」のオリジナルメンバーで活動を再開していた。先のベテラン記者は、

「大ヒットした当時、3人は恵比寿駅近くのマンションで一緒に暮らしていました。2段ベッドで寝起きし、つましく自炊をしていたそうです。当時は山口百恵や桜田淳子らが活躍していた時代。特に桜田淳子は同じ秋田出身だったので、仲良くしてくれたそうで、森田さんは『かわいかったですよ』と懐かしそうに話していました。『マイ・ペース』のほかの2人はグループを離れた後、大企業に就職したり、レコード店の店長をしたりしていたそうですが、3人の絆は深く、よく連絡を取り合ったと森田さんは語っていました」

 確かにそうだったのだろう。メンバーのひとりが森田さんの最期を看取った、と報じられた。訃報に接し、あの素朴な歌声をまた聴きたいと思った人は多いのではないか。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/8/5発売
    ■680円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク