ジュテの目の前に、犬型ロボットAIBOの付属品でついてきたピンクのボールを置いたら、ジッと見てから、前足でツンツンという感じで突いている。このボールで一緒にAIBOのTPOZ(ティポ)とサッカーをやって遊んだ記憶は蘇るだろうか。
いや、やはりそこまで期待するのは無理だったようだ。ジュテはちょっと遊ぶ素振りを見せただけだった。
「やっぱりね…」
ところが、不思議なことが起きた。ピンクのボールは1個だったが、気が付いたらもう1個がコロコロ転がっている。
「1個しかなかったはずなのに」
と言うと、ゆっちゃんも「?」。一体、何が起きたのか。このことは今もって謎のまま。何か神がかり的なことが起きようとしていると、その時は思ってみたのだが。
ジュテは食欲旺盛な日が続いた。
10月6日午前。動物病院で体重を計ってもらったら、3.82キロのまま。減らなければよし!
午後、何か食べたがっているというので、生のマグロを切って食べさせたら、1切れをペロリ。それからカツオの生、カリカリと好物のサーモン入りクリスピー6個。夜は銀のスプーンの缶詰、カツオ。
夜、リビング、和室で吐いているのを見つけた。ジュテか、ガトーかクールボーイの弟たちかはわからない。ちょっと気になる。
翌7日も、和室に吐いている。誰か。8日、体重は3.82キロのまま。食欲は落ちていない。
9日、ちょっと元気がない。夕方までほとんど食べない。夕方、動物病院に連れて行き、体重を計ってもらう。減っているのではないかとヒヤヒヤしながら聞いたら、うれしいことに20グラム増えていた。よかった!
だが、家に帰って異変が起きた。電気座布団で寝ていたジュテが起きてきて排尿、場所を変えて便を3個。ところが、吐き気を催したようで、別の場所に移動しようとしたのはいいのだが、まだ便が出切っていなかったため、走りながらもう1個、床にポトリ。そして和室まで走って行き、ゲホゲホしながら少量吐いてしまった。
それでもクリスピーを10個食べ、ウロウロしているので、何か食べたいのかと思ったのだが、そうでもなさそう。
夜中、シャケ、クリスピーを8個、時間をおいてクリスピー5個、焼いたマグロ。缶詰を出したらなくなっていたが、ジュテだろうか。
「食欲がマチマチで、どうなっているのかわからないね」
と、ゆっちゃん。このまま一進一退が続くのかもしれない。
10日も同じような状態が続き、うっかりステロイドの錠剤を飲ませるのを忘れてしまったのが理由なのか、和室でまた戻している。
そして、体重が500グラムも減っていると言われた9月11日から1カ月後の10月11日を迎えた。朝4時に起き、ジュテを膝抱っこしてあげた。体重はこのところ減っていないが、背中の骨がゴツゴツし、腿のあたりがほっそりしてしまった気がする。
「ジュテとお正月を一緒に過ごしたい」と口にするゆっちゃんの願いは叶うのだろうか。
(峯田淳/コラムニスト)