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日本代表の「現実」も…高校サッカーで勝つとW杯で活躍できないってホント!?

 スポーツ中継を見ながら寝正月を決め込む人も多いだろう。だが、サッカーW杯日本代表の面々を見ると、時代が変わったことを思い知らされる。高校サッカー不出場組が、W杯で大いに活躍しているのだ。

 まず、長崎出身の森保一監督。名門・国見高校に進学を希望するも父親に反対され、長崎日大に進学。当時は国見の全盛期で、高校サッカーとは無縁の少年だった。

 同じく長崎生まれのキャプテン吉田麻也も、名古屋グランパスU-15に入団。グランパスが提携する私立高校には進まず、当時から将来は海外でのクラブチーム入りを見据えて、英会話を勉強するため、愛知県立豊田高校に進学した。そしてU-15から、日本代表入りしている。

 三笘薫、田中碧、板倉洸は川崎フロンターレU-12の出身で、高校はそれぞれ公立校に進学。同クラブに在籍後、10歳で単身スペイン・FCバルセロナに渡った久保建英は、通信制の第一学院高校を卒業した。先輩に、柏レイソルU-15に入団したDF酒井宏樹がいる。

 W杯のドイツ戦とスペイン戦で同点弾を決めた堂安律も、小学生の頃にヴィッセル神戸で指導を受け、中学入学時にはガンバ大阪、セレッソ大阪、ヴィッセル神戸、名古屋グランパスの4チームからオファーが舞い込む。地元尼崎の市立中学に通いながらガンバ大阪ジュニアユースに進み、大阪の通信制、向陽台高校を卒業している。サッカーライターが言う。

「スペイン戦の堂安、三笘、田中あるいは優勝したアルゼンチン代表が象徴していますが、海外クラブチームで求められるのは、試合中の判断力なんです。監督が描く試合のイメージはもちろん、他の選手の動きを予測し、相手DFの位置を確認、自分が飛び込むスペースとシュートのコースを瞬時に判断できるクレバーさが要求される。今までのモタついているかに見えたW杯と違い、今回のW杯が痛快だったのは、そのためです。試合の勘と判断力を磨くためには、小学生からクラブチームで経験を積む必要がある。高校の部活動レベルでは物足りなく、個人の力量と体力だけで全国高校サッカーは勝ち上がれても、その後、世界では戦えない。高校野球も同様ですね。メジャーで活躍した大谷翔平も、三冠王の村上宗隆も、甲子園では初戦敗退に終わっている」

 事実、日本代表の主要メンバーを見ると、高校サッカー優勝者のスタメンはゼロ。W杯でドイツ戦の勝ち越し弾を決めた浅野拓磨は四日市中央で準優勝、今回は控えに回ることが多かった柴崎岳も、青森山田で準優勝止まりだ。1大会最多得点記録を10に塗り替え、準々決勝の対戦相手から「半端ない大迫」の名言が飛び出した鹿児島城西の大迫勇也も優勝はならず、今回のW杯では代表メンバーからも漏れた。

「技術面で突出した資質があっても、監督の戦術にハマるプレースタイルと判断力がなければ、たとえ大迫や柴崎でも戦力外になる。海外で当たり負けしないフィジカルの強さを持ち、子供の頃から多様なプレースタイルを経験していないと、これからの日本代表では生き残れない。高校サッカーはあくまで、アマチュアサッカーの登竜門です」(前出・サッカーライター)

 とはいえ、寒風吹すさぶ中、学生たちが力の限りひたむきに戦う姿に、新春から勇気をもらうことに変わりはない。今回はどんなラッキーボーイが誕生するか、楽しみにすることにしよう。

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