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ナベツネが発動した清武潰し (3) 原監督よりも高い年俸で…

 日本テレビ関係者が語る。
「江川氏を巨人の監督にと推していたのは、渡辺会長の盟友である、ウチの氏家斉一郎会長でした。ところが今年3月に会長が亡くなる時、『江川を何とかしてやってくれ』という、ある種、遺言とも言うべきことが託されたらしいんです」
 渡辺会長はシーズン中から、「原しかいないだろ。他に誰かいたら教えてくれよ」と、原監督の続投を明言してきた。となれば、江川氏招聘は、「清武派」の岡崎ヘッドに代わるポジションで─。前出・読売グループ関係者は言う。
「渡辺会長は陰では、『原では頼りないと思っている』と言っている。パーティの席で、『俺は勝てる監督だったら誰でもいいんだ』と発言したこともありました。絶大な人気もあり、理論派でもある江川氏をその1人として想定していることは想像にかたくない」
 ここで関係してくるのが、ドラフトで一本釣りするはずだった原監督の甥、東海大・菅野智之(22)の存在だ。球団関係者が話す。
「菅野を1年間浪人させたあとに入団させるためには、伯父の原監督を引き留めておく必要がある。11月4日、シーズン終了報告のため、原監督が渡辺会長と会談した際、原監督は新たに3年契約を希望した。ところが渡辺会長は2年を示唆し、正式調印には至らず。菅野を獲って1年間プレーさせたら原監督は用済みで、『江川ヘッド』が後任として昇格することになっていた」
「江川ヘッド」招聘は、3年後の「江川監督」を見据えた強権人事だったのだ。清武氏の会見のあと、江川氏は「このような状況では、岡崎郁氏をはじめ、多くの関係者にご迷惑をかけてしまうことになるので、お受けするのは難しいと思います」とコメントしている。
 ただ、渡辺会長の画策は現実性に欠けるとの見方があるのもまた事実で、「江川氏が実際に要請を受諾したかどうか。そもそも原監督と江川氏は現役時代から不仲。原監督の入団時、江川氏が先輩風を吹かせたことで、原監督が苦手意識を持ったことが原因だとされます。以降、食事や飲みで関係を改善させたという話も聞かないです。プライドが高く、『俺は監督しかやらない』と公言していた江川氏が、後輩の下で働くかどうか。もちろん、渡辺会長が江川氏に交渉するにあたり、原監督の了承など得ていません。江川氏が受けるとすれば、原監督より年俸を高くするしかない。もし(原監督に)バレたらエライことになりますが」(前出・デスク)
 だが、2人の不仲を超えて原・江川コンビは成立する、と指摘する声がある。
 第一次政権で原監督が戦力補強などを巡ってフロントと対立し、実質的に解任された際のこと。さるNHK幹部に電話をかけ、「またNHKで解説をしたい」と申し出たのだった。その報告を受けた海老沢勝二会長(当時)はひと言、「ナベツネさんがクビを切った人間は採るな」
 NHK関係者が明かす。「NHK幹部は原監督に、『権力に逆らわないほうがいい。しばらくおとなしくしておいてほしい』と伝えました。2年連続V逸の原監督がなぜ来年も指揮を執れるのか。ナベツネさんにたてついてはダメだとわかり、犬になったからです。ナベツネさんが江川ヘッドを連れてきたら、もちろん黙って飲んだでしょう。清武代表はナベツネさんという絶対者に刃向かうという失敗を犯したんです」
 原監督は今回の騒動を「少し残念だ」として、江川氏への打診について「大事な先輩で功労者。迷惑がかかっていなければいいが」と大人の対応だった。
 最高権力者は飼い犬に手をかまれた。しかし、その傷はさほど深くないのかもしれない。

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