芸能

次長課長・河本準一「生活保護費不正受給」で「芸人は仕事の保証がない」という年収3000万円のアキレた言い訳/壮絶「芸能スキャンダル会見」秘史

 お笑い芸人の中には、自らのマザコン癖をあえて隠さず、逆に笑いのネタとして扱うケースは少なくない。2007年に母親との思い出を物語にまとめた著書「一人二役」を出版し、表紙にはその母親と写る写真で登場した次長課長の河本準一も、マザコンを自称する芸人だった。

 そんな河本に母親の生活保護不正受給問題が発覚したのは、2012年4月である。「女性セブン」が「超人気芸人『母に生活保護』仰天の言い訳」なるタイトルで記事を掲載。河本の実名は伏せられていたが、ネット上に実名が登場し、上を下への大騒ぎに発展したのである。

 当時、次長課長は多くのレギュラー番組を持ち、CMにも出演。報道によれば当時、河本の年収は推定3000万円。それが事実であれば、彼の母親が生活保護受給者というのは不可解と言わざるをえない。

 報道を受け、自民党の生活保護プロジェクトチーム座長だった世耕弘成参院議員も、河本の母親が住む岡山市に調査を依頼したとして、

「年収ウン千万円を稼いでいるわけですから、扶養の義務はあるはず。生活保護法に基づき、過去の分を遡って彼に請求すべき」

 とコメント。さらに、同党の片山さつき参院議員らも、ツイッターやブログで「生活保護不正受給疑惑」として追及し始めたことで連日、ワイドショーを賑わせることになった。

 騒動から1カ月後の5月25日、東京・新宿の吉本興業で記者会見に臨んだ河本は、母親の生活保護受給を認めて、こう釈明した。

「現在は受給していません。福祉の方と決めたことでしたが、今になって考えると、むちゃくちゃ甘い考えだったと深く反省しています」

 その説明によれば、15年ほど前の「芸人になって2、3年目で仕事がない時期」に母親が病気で動けなくなり、生活保護を申請。その当時は年収が100万円以下だったこともあって、福祉事務所に「申し訳ないが、面倒を見ることはできない」と答えたという。

 しかし、報道で事実が発覚する4月まで生活保護を受けていたことについては、

「芸人は来年も仕事がある保証はなく、自分も病気になり、負担を感じていた」

 と苦しい弁明に終始。

「お世話になったお金はきちんとお返ししたいと思っています」

 福祉事務所と相談しながら、受給分を返還するとした。

 著書の中で「売れたら岡山に家を建てる」と書いていた河本は「長年、母親とは会っていない」として、疎遠だったことを告白。当然ながら、ファンからは「な~んだ、やっぱりマザコンはネタだったんだ」という声が出た。おまけに、芸人仲間からは「お前に払う生活保護はねぇ~」とイジられる日々が、しばらく続くことになったのである。

(山川敦司)

1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。

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