社会
Posted on 2023年08月03日 05:58

花火大会で有料席導入が進む梨泰院「雑踏事故」の余波

2023年08月03日 05:58

 夏の風物詩である花火大会。今年からはコロナ禍以前の規模で開催するところも多く、ようやく日本の夏が本格的に戻ってきた印象だが、実は多くの花火大会で「有料席」を導入するところが増えている。エンタメ誌ライターが語る。

「群馬県高崎市は8月26日に開催する『高崎まつり大花火大会』の有料観覧席のチケットの販売を開始しましたが、今年は無料エリアを削って例年の3倍となる1万3000席に有料エリアを拡大しました。また京都府亀岡市内で開催される『保津川市民花火大会』では今年から無料エリアを廃止し、全エリアに2万5000席の有料観客席を儲け、ロイヤル席は1席1万5000円に設定されています。他にも多くの花火大会で有料席の新設、増設が相次いでおり、無料エリアの減少を嘆く声も少なくありません」

 花火大会にも物価高が影響している。今年は花火玉の仕入れ値が例年より2割ほど上昇し、警備や誘導を行うスタッフの人件費も高騰。中止を決断せざるを得ないところも少なくないという。地元の寄付を頼りしている大会も少なくないが、それだけでは運営費をまかなえきれず、有料席の導入やクラウドファンディングを実施して出資を募る自治体も増えているのだ。

「さらに、今年の花火大会には昨年10月にソウルの梨泰院で起きた雑踏事故の影響も小さくないといいます。コロナの規制緩和とハロウィンによる過剰な混雑を予想できず、警備体制の不備によって159人の死者を出した事故は、かつて日本で起きた明石花火大会歩道橋事故を思い起こさせ、多くの大会で警備を強化して開催に望むことになります。しかし、スタッフの人員不足は深刻な状況で、人件費のために苦渋の決断で有料席を導入するところもあるのです」(前出・エンタメ誌ライター)

 花火大会を安全にコロナ以前の規模で存続させるためにも、有料席の導入は不可欠のようだ。

(小林洋三)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク