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記事全文を読む→コミック原作「ドラマ化・映画化問題」で見えた「ONE PIECE」尾田栄一郎の大物感
昨秋クールに放映された人気ドラマ「セクシー田中さん」の原作者、漫画家の芦原妃名子(本名・松本律子)さんが1月29日に亡くなったことを受けて、日本漫画家協会会長のちばてつや氏は公式Xで、次のように呼びかけた。
〈会員の皆様は、契約等のお悩みがございましたら協会までご相談ください。専門知識、または経験則のある人間が対応いたします〉
「セクシー田中さん」のドラマ化をめぐっては、芦原さんが原作の「改変」への不満を訴えていたが、人気コミック原作の実写版ドラマや映画の改変は、今に始まったことではない。
「ハリウッド史上最悪の改変」と言われたのは、2009年の映画「ドラゴンボール・エボリューション」だ。なにしろ主役の孫悟空は、いじめられっ子の高校生という設定。あまりのデタラメぶりに、原作者の鳥山明氏が「ドラゴンボールとはいえない」と言い捨てた出来で、脚本家のベン・ラムジー氏は原作ファンに謝罪する事態になった。
かつては元SMAPが「ガッチャマン」に扮したNTT東日本のテレビCMが放映された。ヒロインの「白鳥のジュン」が稲垣吾郎で、怪力の「ミミズクのリュウ」は香取慎吾だった。ちなみに香取は実写版「こちら葛飾区亀有派出所」の両津勘吉、「忍者ハットリくん」も演じるなど、山崎賢人や新田真剣佑と並ぶ、アニメ実写版の常連俳優だ。
Amazonプライムの5段階評価で2.1と、邦画の実写版でぶっちぎりの低評価なのが「進撃の巨人」だ。ある日突然、人類が巨人に襲われるという不条理の中でも、巨人に立ち向かう人類最強の兵士リヴァイが登場せず、代わりに原作にない「シキシマ」という人物が出てきた。さらに原作の世界観では「珍しい東洋人」で、そのせいで両親が惨殺される悲劇のヒロインたるミカサを、バタ臭い水原希子が演じるというミスマッチ。
近年では2023年8月31日にNetflixで全世界同時配信された実写版「ONE PIECE」の評価が分かれている。レビューでは「アニメをイメージして見た子供が泣いた」と酷評する向きもあるが、原作者の尾田栄一郎氏は同作CMに出演して「想像の何倍も素晴らしい」と絶賛している。「ONE PIECE」はこれまでもスーパー歌舞伎で舞台化されているが、アニメ誌関係者が言うには、
「実写版『ONE PIECE』はスタッフが原作の大ファンで、実写化に至るまで7年間も尾田氏と打ち合わせを続けました。それでも『ドラゴンボール』や『ジョジョの奇妙な冒険』など、過去の『少年ジャンプ』作品の実写版の失敗から、周囲は心配していたようです。それでも尾田氏は『じゃあ、史上最高の実写版を目指そう』と前向きだった」
海賊王を目指す主人公ルフィと重なる、度量の大きさを見せたというのだ。さらに、
「海外のエージェントは、実写化に相応の原作使用料を支払います。それにひきかえ、日本のテレビ局は原作者への使用料をケチる傾向がある。興行収入58億円、阿部寛主演で大ヒットした邦画『テルマエ・ロマエ』では原作コミックの作者・ヤマザキマリ氏に支払われた原作使用料がわずか100万円だったと、ヤマザキ氏本人がテレビ番組でブチまけました。ヤマザキ氏は金額そのものよりも、原作者本人が直接交渉する機会がなく、一方的に交わされた契約の不透明さに不信感を抱いたと語っています」
尾田氏の懐の広さは、7年間で築いた信頼関係があってこそだろう。
(那須優子)
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