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記事全文を読む→「やっぱり映画っていいなあ」 ーゴーン・ガールー
── ゴーン・ガール ──
●ストーリー 結婚5周年の朝、妻エイミーが失踪。室内には争った形跡や血痕が見つかり、捜査線上に夫ニックも浮かぶ。●監督/デヴィッド・フィンチャー 出演/ベン・アフレック、ロザムンド・パイクほか 配給会社/20世紀フォックス映画 ●TOHOシネマズ日劇ほか全国公開中。
お正月映画は人気アニメ「妖怪ウォッチ」が興行的には独走だそうだが、オヤジ世代はやっぱり実写の、それも美女が出てくるエロチックなヤツでなきゃね。そのご要望に打ってつけなのが「ゴーン・ガール」。早くも今年のオスカー戦線大本命! と噂の1本だ。
何しろ監督のフィンチャーは「セブン」「ドラゴン・タトゥーの女」など一筋縄ではいかないクセ者映画を多く撮ってきた鬼才。その中でも“最高級のでき”という評価に僕も賛成だ。
結婚5年目のカップル、一見理想的な美男美女に映るが“妻の失踪”に端を発し、イメージが一変してゆく。当然ながら、事件直前の夫の問題行動にも疑惑が及び、ワイドショーが飛びつく。さらに、結婚記念日の“宝探し”の意味、妻の日記の記述など謎が謎を呼び、疑惑が疑惑を生む‥‥。
事の真相が少しずつわかるにつれ、特に男性は慄然とすること請け合いかも。原作は日本でも話題の、世界的ベストセラーだ。謎解き、ドンデン返し映画の常でネタバラシ厳禁なので、もし原作を読んだ人も言わぬが花である。
卓越したフィンチャー演出もあるが、やはり役者の魅力が大きい。夫役のベン・アフレックは、オスカー受賞作「アルゴ」も監督したハリウッドのトップ男優。今回はかなりの“最低男”を演じている。でも、男性の同情を買うようにも演じているのがさすが!
とはいえ、一番の魅力はヒロイン・エイミーを演じるロザムンド・パイク。イギリス出身の金髪美女で「007/ダイ・アナザー・デイ」では悪役ボンドガールを演じて一目惚れ。それ以来僕は彼女のファンなのだが、やっと超メジャー映画の主役を張るほど出世して、マネジャー気分でうれしいぞ。この際、皆さんも名前を覚えてほしい、ロザムンド・パイク。覚えにくければ、僕の勝手な略称“ロザパイ”でどうか。ワカパイ(井上和香)みたいで覚えやすい(?)。
冒頭で彼女の金髪頭部が大写しになり、「この頭の中で何を考えているのか?」と、夫が独白するシーンがある。いつの時代でも、金髪美女はミステリアス。キーワードでもある“完璧なエイミー”を覚えておこう。
往年の「白いドレスの女」「氷の微笑」などを例に出すまでもなく、疑惑の金髪美女はタフで、狡猾で、何よりエロチックでなければ。今回のロザムンド嬢も、完脱ぎシーンで“ロザパイ”がバッチリ。凄艶な血染めのお色気シーンもあり、約20年前のシャロン・ストーンにも負けていない。そもそも典型的な悪女タイプじゃないのがやっかいだ。
お正月映画ではこれがイチオシ! 金髪ロザムンド目当てに、だまされたつもりでどうぞ。女性&女房研究にも役に立つはず。
◆次回は前田有一氏です
◆プロフィール 秋本鉄次(あきもと・てつじ) 1952年生まれ、山口県出身。映画評論家。「キネマ旬報」などで映画コラムを連載中。著書に「やっぱり!映画は“女優”で見る!」(近代映画社刊)など。
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