エンタメ
Posted on 2024年03月12日 17:58

映像クリエイターの給料「日米格差」はなんと5倍「ゴジラ-1.0」アカデミー賞受賞を素直に喜べないワケ

2024年03月12日 17:58

 第96回アカデミー賞の授賞式が現地時間の3月10日、米ロサンゼルスのドルビーシアターで行われ、山崎貴監督作「ゴジラ-1.0」が視覚効果賞を受賞した。監督として視覚効果賞を受賞したのは「2001年宇宙の旅」のスタンリー・キューブリック監督以来55年ぶり、史上2人目となった。山崎監督は次のようにコメントし、喜びを爆発させた。

〈40年以上前に『スターウォーズ』と『未知との遭遇』を見たショックからキャリアをスタートさせた私にとって、この場所は望む事すら想像しなかった場所でした〉

〈しかし私たちは今ここにいます。この場所から遠く離れたところでVFXを志しているみんな! ハリウッドが君たちにも挑戦権があることを証明してくれたよ!〉

 アジア映画がこの賞を受賞するのは史上初で、日本のVFX(視覚効果)が世界で認められたことに日本中が歓喜したが、そこに「15億円の低予算で」という枕詞がつくのがいただけない。

 日本の映画製作費が安く抑えられているのは、人件費が安いから。VFXクリエイターの給料を日米比較すると、5倍以上の格差があるという。

 日本国内のVFXなど映像クリエイターの給料は、年俸300万円から。それに対し、ハリウッドでは長年続いた労使交渉の結果、駆け出しの新人クリエイターの初任給でも、日本円にして年俸500万円から。ベテランになると年俸1500万円超に昇給する。ロサンゼルス在住の日本人クリエイターが言う。

「いわゆるCGと実写を組み合わせたVFXの技術を有名にしたのは、1997年公開の映画『タイタニック』でした。当時、アメリカで働いていた日本人映像クリエイターと日本国内の映像クリエイターの収入格差は、10倍とも言われました。ハリウッドがあるロサンゼルスは物価が高く、VFX界の大谷翔平、山本由伸を目指して、いきなりアメリカで武者修行というのも現実的ではない。今回の山崎監督の快挙で日本人クリエイターの待遇が改善され、さらにハリウッド挑戦のチャンスが広がるといいのですが」

 野球選手のように、クリエイターの頭脳が次々と国外流出しないためにも、アカデミー賞受賞に見合った待遇改善が望まれる。

(那須優子)

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク