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八百長で力士の大量解雇という大スキャンダルを経て、再生へ向けて歩みだした大相撲。しかし、角界八百長を告発したジャーナリストの武田賴政氏は「幕内上位に限って言えば、何も変わっていない」と厳しい口調で言うのだ。
「11年5月の技量審査場所を経て、確かに十両は浄化された。しかし、幕内では相変わらず『変な相撲』が行われています。八百長力士は辞めさせたが、トカゲの尻尾切りをやっただけ、という気がします」
武田氏はそう言って眉をひそめる。
公益法人の許認可権を握る文科省の指導のもと、大相撲改革は動きだした。将来的には部屋持ち親方の協会運営に携わる理事、監事職の兼任が禁じられ、部屋を持って弟子を育てる親方は、弟子育成に専念することとなる。しかし、「それでは不十分」と武田氏は指摘する。
「相撲協会の財務に携わる職は外部から専門の人材を招聘すべきです。元力士に経営ができるわけはない。ただ外部から人材を招聘すると、これまでヘドロのようにたまった不正が一気に発覚する。それを恐れ、部屋持ち親方と協会職に専念する親方に分離し、お茶を濁したのだと思いますね」
例えば、年寄株問題について相撲協会は、新公益法人となる2013年には外部の人間の所有権を認めず、年寄株が売買できなくなることを決めているが、それまでに年寄株を売却できなかった外部の関係者は、協会から年寄株を没収される。そのため、水面下では露骨な交渉が繰り広げられていると言われる。
「しかし、中には先代の親方夫人が実権を握っている部屋もある。そうした部屋から外部の人間を排除し、年寄株問題を解決するのはきわめて困難でしょう。『俺が出したカネはどうなるんだ』と、年寄株を巡り訴訟が頻発するような気がしますね」
カネに人一倍執着があるとも言われる力士。改革を断行すると、訴訟合戦が起こるというのだ。
では、土俵はどうなるのか。武田氏は、
「貴乃花親方が現場を掌握して、土俵の正常化を進めてほしいのですが‥‥」
と言ったうえで、こう続ける。
「貴乃花親方は現役時代から“変人”で知られ、親しい力士もほとんどいなかった。ガチンコ相撲を取るには力士同士で情ができてしまってはダメなんです。そういえば、亡くなった鳴戸親方も極め付きの変人で、鎖国政策を取り弟子と外部の力士との接触を断っていた。結局そうでもしなければ、ガチンコ相撲を守り通すことはできなかったわけです」
ところで、「週刊現代」誌上の八百長告発に対し協会が起こした名誉毀損の民事訴訟で敗訴が確定した武田氏は、再審ではなく、相撲協会を相手取り、新たに1000万円の民事訴訟を起こしている。
「亡くなった花田勝治氏(二子山元理事長)が当時頻発していた八百長を戒める発言をして、現在は八百長で大量の解雇者が出た。とすると、(私が告発した時期の)朝青龍の時代だけ八百長がなかったとする協会の主張は無理がある。本来ありえない判決を勝ち取った協会のウソを訴訟で立証したい」
八百長がなかったことをみずから証明しなければならない相撲協会。さあ、困った!
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