スポーツ

浅田真央 母が残した「娘への遺言」(2)成長する娘を温かく見守った

 電話では、2カ月に1度のペースで話す機会があった。
「元気~? 今回もアサ芸用のネタはないけど(笑)」
 電話はよく、この冗談から始まった。
 記者と匡子さんとの交流は、6年前に遡る。真央は「フランス杯」で優勝し、一躍時の人となった。出場年齢制限を外し、トリノ五輪に出場させるべきだと、国内外で議論が沸騰していた時期のことだった。名古屋の自宅を突撃取材した縁で、「アサヒ芸能」という“オトナの媒体”でも分け隔てなく接してくれる匡子さんと、取材ではない“非公式”の交流が、亡くなる直前まで続いていたのだ。
 その後、結果的には、トリノ五輪への出場はかなわなかったが、のちに匡子さんは、このような言葉を残している。
「トリノ五輪に出ていたら、真央は金メダルを獲ったと思うの。当時は、プレッシャーが何かもわからなくピョンピョン跳んでいたし(笑)。今と違って女性の体の変化の影響も受けなかったし。でもね、あの時、出場して金メダルを獲っていたら、真央の成長は止まっていたと思う」
 その言葉には、娘の成長を誰よりも楽しみにしている母親の顔が、浮かび上がる。そして、母親の愛を一身に受けた真央は、母親が喜ぶ顔が見たくて精いっぱいの演技でそれに応える。親子の絆が、わずか15歳だった少女を一躍、世界の表舞台に上げることとなったのだ。
 真央が中学生当時、匡子さんは娘たちを見守る心境について、このように話していた。
「いいフィニッシュをしたら、思いっ切り抱き締めてやりたいの。運動会や、お遊戯会で、一生懸命やっている娘を見守るのと同じよ」
 やがて高校生となり、真央も少しずつ大人の階段を上がっていく。
「最近は、真央もだんだんレディーになってきたから、得点発表の時に鼻をかまないように。そして、股は開かないようにって言っているのよ(笑)」
 母親の言葉からは、娘に対する信頼感がうかがえるようになっていった。

カテゴリー: スポーツ   タグ:   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
フジテレビ・井上清華アナ「治らない顎関節症」と「致死量ストレス」の不穏な関係
2
新2軍球団「オイシックス新潟」でくすぶる元広島・薮田和樹と元阪神・高山俊の「1軍復帰ロード」
3
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
4
上毛電鉄「800形」新型車両が全線営業開始!「700型」とは違う「ガッカリ&歓喜」ポイントがあった
5
年俸4億円を捨てた渡邊雄太「NBA撤退⇒日本Bリーグ」でグッズ収入「争奪戦」