社会
Posted on 2024年08月29日 09:58

未来に起きる出来事を体験「予知夢」のメカニズムを追跡!睡眠実験中の脳を覗き込んでみたら…

2024年08月29日 09:58

 人間だけでなく多くの動物は就寝中、夢を見ていると言われる。目が覚めた際に覚えている、いないは別として、夢に登場する人物やストーリー等、ハチャメチャなものが多く、思わず笑ってしまうこともしばしば。これは短期記憶と長期記憶とが混ざり合っているから…などと諸説あるものの、そのメカニズムはよくわかっていない。

 そして夢の中には、よく動物が地震などの天災を予知できる能力と同様に、未来に起きる出来事を体験する「予知夢」が存在すると言わてきた。

 予知夢には、夢で見たことと全く正反対のことが起こる「逆夢」、特定の数字や色など象徴的なものが出てくる「象徴夢」、さらには夢に登場した人物から未来に関する警告などを受ける「霊夢」などがある。よく言われる「亡くなった人が夢枕に立つ」といった現象はこれにあたるのではないか、と思われてきた。

 そんな予知夢のメカニズムに迫るべく、ミシガン大学のカムラン・ディバ博士らを中心としたアメリカの研究チームが、睡眠中のラットの特定の神経細胞(ニューロン)の動きを分析。その研究結果が、今年5月8日付の科学雑誌「Nature」に掲載されている。

 研究チームは、眠っているラットの脳を覗き込むことに成功。すると特定のニューロンが直近に起こった経験の記憶を残そうとしながら、同時に新しい経験の記憶調整を行っていることを突き止めたのである。

 研究チームはまず最初に、両端におやつを置いたレールにラットを乗せて何度も往復させ、脳内にある海馬の神経細胞がどう動くかを観察。ラットがレールを移動中、神経細胞が最も活発に動く場所を推定し、次に睡眠中の神経細胞の動きを観察した。

 さらに睡眠中のラットの海馬で発生する「リップル波」と呼ばれる脳波の神経活動パターンを追跡調査したところ、新しい記憶を定着させる役割があることがわかった。

 つまり、このニューロンの働きにより、新しい環境を経験して作られた空間の「表象」(知覚したイメージを記憶に保ち、それが心のうちに表れる作用)が起き、数時間の睡眠でも安定してこれを保つことができる。そしてその記憶の定着が、予知夢を作り出すきっかけになっている可能性がある、というのだ。

 簡単に言えば、テレビや映画、あるいは動画や写真などをチラッと見ただけで、それが記憶として定着すれば、それをベースに脳のニューロンが予知夢を生み出し、見たような錯覚を作り出す、ということだろう。

 時おり、夢に現れた数字の通りに馬券を買ったら万馬券になった、といった話を耳にする。これもどこかで見たり聞いたりした数字が、ニューロンの働きによって定着しただけなのか…。

 夢のメカニズムが完全解明される日は、まだ先になろう。

(ジョン・ドゥ)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    スポーツ
    2026年07月27日 11:00

    二転三転したサッカー日本代表の次期監督問題、どうもスッキリしないのはなぜか。日本サッカー協会(JFA)は北中米W杯で指揮を執った森保一監督を、来年1月に開幕するアジアカップ(2027年1月7日から2月5日・サウジアラビア))まで続投させるこ...

    記事全文を読む→
    スポーツ
    2026年07月28日 14:30

    中日ドラゴンズの元投手で、タレントなどで活躍した板東英二さんが7月22日に慢性心不全のため死去していたと、7月28日に公式サイトで発表した。86歳だった。1940年4月生まれ、満州出身で戦後は徳島県で育った。徳島商時代にエース投手でプレーし...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    スポーツ
    2026年07月29日 11:30

    コロラド・ロッキーズの菅野智之が「夏の主役」となりそうだ。メジャーリーグ各球団が期限ギリギリになると、駆け込みトレードを次々と成立させている。優勝争いから脱落したチームが主力選手を手放し、その見返りとして将来性の高い若手選手を複数人もらう。...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/8/4発売
    ■690円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク