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「吉原細見」の成功で富を得た蔦重は、33歳の時に今で言う出版業界に殴り込みをかける。日本橋通油町で出版社兼書店である「耕書堂」を開業したのだ。そんな蔦重に思わぬ障壁が待ち受けていた─。
当初、蔦重は富本節(浄瑠璃に使われる三味線音楽)の正本・教本も手がけて、耕書堂の売り上げの安定を図った。が、単なる編集者に甘んじるつもりはなかったようだ。
田沼時代のバブルに乗って、事業を拡大していく。その手段として使ったのが、当時、大流行していた「黄表紙」と「狂歌」だった。黄表紙とは、大衆的な読み物で世相に合わせパロディや風刺を取り入れることで庶民の支持を得た。一方の狂歌は平安時代からある和歌に滑稽・猥雑などを取り入れた酔狂であり、風刺的でもある歌だった。
これらの作者たちとの関係を築くために、蔦重は奔走したという。増田氏がこう解説する。
「蔦重は、当時の文化人やセレブが集う場、言うなればサロンのようなところにも顔を出して人脈を作っていきます。そして、持ち前の交渉力で、彼らを掌中に入れてしまうのです」
蔦重が関係を深めたのは、当代きっての通人として知られる朋誠堂喜三二 、戯作者の恋川春町、山東京伝、そして狂歌界の大物であった大田南畝らがいる。当時の本は数百部しか売れなかったのが、蔦重が出した彼らの本は一万部を超える大ヒットを記録したという。
当然ながら、蔦重はベストセラーを狙って、売れっ子作家たちに近づいたのだろう。だが、こうした付き合いには微妙な濃淡があり、そこに蔦重の人間性も見て取れるという。
「例えば、大田南畝との関係性を見てみると、確かに蔦重のことを気に入っていると日記にも書いているので、それなりの付き合いはあったとは思います。しかし、喜三二や春町、京伝らに見られるような人間同士の深い付き合いというのを、あまり感じられないのです。言ってみれば、2人はよきビジネスパートナーという関係性と言っていいのではないでしょうか」(前出・増田氏)
見方を変えれば、蔦重は大物とも商売でウインウインの関係を築ける度量も持ち合わせていたということになる。だが、人間同士の深い付き合いを築いた売れっ子たちは、蔦重との関係性がもとで痛い目にあう。
順風満帆だった蔦重の出版人生に大きな壁が立ちはだかったのだ。田沼時代は終わり、老中・松平定信が政治を取り仕切るようになり、軽佻浮薄の世相にメスを入れる。いわゆる「寛政の改革」の始まりである。定信は民に質素倹約を求め、風紀の引き締めを開始。ためにならない書物を排除する。黄表紙、狂歌などは最たるもので、蔦重の商売に重大な影響を与えた。
しかし、蔦重は耐えるばかりではなかった。
「喜三二に『文武二道万石通』を書かせ、定信の政治を痛烈に風刺したのです。これには蔦重の江戸人らしい反骨心が見てとれます。大事なのは庶民が(改革に)息苦しさを感じているという空気を読み取ったこと。また、『こういう本が読みたいよね?』という出版人としての読みもあったと思います」(前出・増田氏)
喜三二だけではなく、蔦重は春町、京伝にも同種の本を書かせ、風刺から褒め殺しと手を変え品を変えて定信批判を止めなかった。庶民は大いに支持したが、批判された定信は、そのままにしておくはずがない。まず、武士階級である喜三二と春町には主家などを通じてプレッシャーをかけ、喜三二はついに断筆に追い込まれる。春町も定信の呼び出しを受けたが、それに応じず隠居。ほどなくして死去した。自害説が現在では有力視されている。また、京伝は手鎖五十日という罰を受けた。
「当時、手鎖の刑を受けても、実際、ほとんどの期間を外して過ごすことが多かったようです。が、京伝は最後まで手鎖を外さなかったとか。まじめな性格なのでしょう」(前出・増田氏)
蔦重本人も財産の半分を没収されてしまう。それ以上に、喜三二と春町という有力な作者を失い、蔦重にとっては、定信の治世期は手痛い挫折の時であったと言えよう。
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